第２４２話 互いの体調 ページ42
──翌日。
朝早く起きた俺は、食堂へと向う。
そこには顔に傷があるウルフカットが特徴的な女性が座っていた。
確か──昨日気を失ってたやつ･･･だよな。
リボーンが“ラルミルチ”って言ってた──なんでも、アルコバレーノのなり損ないだとか･･･。
ﾗﾙ｢──お前は･･･｣
食堂に入ってきた俺の方を向いて口を開くラルミルチ。
そーいや、コイツ俺の事知らねーよな。
貴｢リベルタだ。──具合平気なのか？｣
ﾗﾙ｢問題ない。それに、お前のことはリボーンから聞いている｣
なるほどな、リボーンから聞いていたのか。
名乗る必要なかったか？
ﾗﾙ｢オレの心配より、お前は自分の身体を心配するんだな。ゴミの小分けされた袋の中に血だらけのガーゼが大量に捨てられてたぞ｣
貴｢──･･･｣
俺は、ラルミルチの言葉に口を
恐らく、彼女はそれを肯定ととるだろう。
獄寺ならともかく沢田にバレたら大騒ぎになる。
それじゃなくても突然未来に飛ばされてきてパニクってる上に、１０年後の自分が亡くなっているというこの状況下──。
それに加え、両親がイタリアに行ったっきり行方不明になっている。
それじゃなくても過敏になってる沢田に、俺の怪我をみて、イタリアの情勢を誤認されでもしたら本格的にパニックに
百歩譲って、怪我がバレたとしても──なにが“原因”で負った怪我なのかを誤魔化さないと──･･･。
ﾗﾙ｢心配するな、他言はしない｣
グルグルと思考をめぐらせているなか、ラルミルチは俺の表情から察したのか目を閉じてそう言い放った。
貴｢──助かる｣
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2022年3月1日 16時
