第２３１話 未来ｰ??sideｰ ページ31
ｰ？？sideｰ
リング争奪戦から約１０年。
ボンゴレファミリー本部は巨大勢力、ミルフィオーレファミリーの手にかった。
ボンゴレファミリーの関係者や珍しい力を宿しているヴァリアー所属のアルダや俺──いや、“私”と１０代目の“存在”までをも。
──俺は、まとっていた衣服を脱ぎ捨てシャワーの蛇口を捻る。
ズキッ──･･･！
お湯が肌に触れた瞬間、身体中に突き刺すような痛みが走った。
それもそのはず──俺の身体には、まだ治りきっていない生傷がそこかしこにあり、なんなら出血だって止まりきってない所すらある。
痛んで当然だろう。
??｢･･･ボンゴレファミリー･･･か･･･｣
シャワーの音にかき消されるぐらい小さな声でそれを口に出す。
そして、脳裏によぎる彼と彼を取り巻く守護者や関係者達とすごした数年間──。
それは身体の痛みを感じる度に“私”の心を強く揺さぶって、目の奥がツンっと刺激してくる。
流れ落ちる涙をシャワーで紛らわせ、“私”ではなく、“俺”であり続けるために、シャワーを浴びていた。
だが、その行為も扉越しに感じる気配によって阻害される。
??1｢ちょっとぉっ！！まーたシャワー浴びてるの〜！？んもぅ、まだ傷完全には治ってないんだからダメってあれほど言ったでしょ〜！？｣
扉越しのせいでくもったように聞こえてくるおかま口調の声。
“私”はその口調でさえ“あの人”を思い出して感傷に浸ってしまう。
パチィィン！！
自分で自分の頬を叩き、俺は“私”を捨てて蛇口を捻ってシャワーをとめた。
??｢言われなくてもわかってるよ、ルッスーリア。今行く｣
ﾙｯｽｰﾘｱ｢んもぅ！リベルタったら･･･！準備整えたら手当てするわよ〜！｣
ルッスーリアが離れたことを確認してから俺は脱衣室に入ってサラシを手に取り、“私”を隠すために胸元にキツく巻き付けていった。
俺は今ボンゴレファミリー天空・風の守護者の神影 Aではなく、ヴァリアー隊、雲の守護者の“リベルタ”として生きているのだから。
✼••┈┈••*作者から*••┈┈••✼
話の都合上、これより先は
【ﾘﾍﾞﾙﾀ=主人公[A]】
で進めさせてもらいます。
表記は以前と同様に
貴｢｣
で進めていきます。
本当は設定？とかで変わるようにした方がいいかな、なんて考えてたけど私にその機能を使いこなせる技量が私にはなかった(白目)
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2022年3月1日 16時
