第話２２５ 翌日 ページ25
──翌日。
あの後、急成長したソドムがその場にいる皆を治癒し始め、治りきらなかった怪我を手当てをして各々が自分の家へと帰っていった。
とは言っても、雲雀さんとクローム、あと黒曜の面々は治癒も手当ても受けないままいつの間にかいなくなってたけど･･･。
貴｢･･･山本家で祝勝パーティー･･･かぁ。なぁんか、昨日まで激戦繰り広げてたっていう実感が湧かないんだよなぁ〜･･･｣
外を歩いている途中、指にはめたリングを眺めながら私はふとそんなことを口にした。
あれからたった１日──正確には、数時間しか経ってないのに、そんな心境になってしまっている。
多分、この平和すぎるこの場所に慣れてきてしまっているのだろう。
いわゆる、平和ボケと言うやつか。
ｿﾄﾞﾑ｢も〜、そんな大怪我こさえながら何言ってんの〜･･･！？僕がAのそばを離れたら身体中が痛くなって否が応でも実感するんだからね！｣
隣を歩くソドムは私を見上げながらプクーっと頬をふくらませる。
私の傷はソドムがそばで常に痛みを抑える妖術をかけてくれているから痛まないらしい。
大空戦で急に痛み出したのはソドムが一定以上離れて術が届かなくなったからなんだとか。
通りでソドムと距離が出来た途端痛み出してきたわけだ。
貴｢それはわかってるよ。ありがとう、ソドム｣
──アイツ、祝勝パーティーやること･･･ちゃんと知ってるよな･･･？
ふとした疑問がよぎり、少し考えたあとにチャイムを鳴らす。
もし知らなかったりしたら、大変だもんな･･･。
すると中からはーい、と返事が聞こえてきてしばらくしてから扉が開く。
そして、姿を現したのは沢田──ではなく、沢田のお母様である奈々さんだった──･･･。
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2022年3月1日 16時
