第６１話 奪われたハーフボンゴレリング ページ11
──さっきの場所から離れた安全な場所まで京子とイーピンを連れてきた後、パーカーのフードを深く被って、踵を返して超特急で元いた場所へと戻る。
押し寄せてくる人の波に逆らうようにして走っているからか、いつもよりスピードが出せてない。
──クソｯｯ･･･急いでるのに──･･･！！
苛立ちを覚えながら走っている私の視界に４人の人物が映った。
ボロボロの姿ながら、沢田を守ろうと奮闘していたであろう男の子──そして、“跳ね馬”で有名な私の師匠の同期であるディーノさん。
相変わらずの柄パン姿の沢田。
そして、そんな彼の頭を鷲掴みにしている、ロン毛──。
ﾃﾞｨｰﾉ｢手を放せ！！｣
貴｢っ──･･･！！｣
それを見た瞬間、私の中にあるスイッチがカチッと音を立てて入り──
ﾊﾞｷｭｩｩﾝ！
ドゴォォッ
気が付いたら、武器を具現化し弾をロン毛に撃ち込んでいた。
ただ、ロン毛も火薬を撃ち込んできて、煙幕を張る。
その時、飛んできた物が私の腕にあたり仕込み銃が吹き飛ばされる。
貴｢いっ──･･･！｣
ﾃﾞｨｰﾉ｢やろう！｣
ロン毛｢チッ･･･この的確な狙撃･･･
煙幕に姿こそ隠されているが、シルエットは見える状態で左腕を気にする素振りを見せるロン毛。
しばらく経って土煙が晴れた頃、ようやくシルエットじゃないロン毛の姿が確認できた。
ロン毛｢──あﾞぁ･･･
??1｢あぁっ、ボンゴレリングが･･･｣
──ボンゴレリング？
ウルフの男子が口にした単語に疑問を覚えていると、ロン毛はボンゴレのマークの入った四角い箱を手にしながら、長い髪をひるがえして飛び去っていく。
??1｢まっ、まてっ｣
追いかけようと立ち上がる男の子。
??1｢ううっ｣
だけど、彼の追いかけようとする意思に反して、彼の体は力尽きたように崩れ落ちる。
私は咄嗟に彼が頭を地面に打たないように肩と頭を支えた。
ﾃﾞｨｰﾉ｢おい、無茶すんな｣
貴｢追うなら私が──｣
ﾘﾎﾞｰﾝ｢深追いは禁物だぞ｣
貴｢！｣
彼を地面に寝かせて立ち上がろうとした時、リボーンの静止の声が聞こえた。
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2021年12月8日 21時
