第５１話 平和 ページ1
黒曜生との戦いから、数日が経たった頃──。
ツナ｢わぁぁぁっ、ちょちょちょ、ストップ！ストップぅぅぅ！！｣
体育の時間──相変わらずヘタレな沢田を眺めていた。
どうやらドッチボールの標的にされているらしい。
さっきから情けない声を上げている。
いやいやいや、黒曜戦の時の面影はどこ行ったよ。
曲がりなりにも自分にナイフ刺そうとしてたやつには見えないんだけど。
体育座りしながらボーっと沢田のことを眺める。
あ･･･なんもないところで転んだ。
しかも顔面から･･･痛そ〜･･･。
周りのヤツからは｢ダメツナだな〜｣とかって言われながら笑われてる。
──でもまぁ･･･
ツナ｢痛ァァァ｣
顔を抑えながら起き上がった沢田。
貴｢フッ･･･ドジな奴･･･｣
それを見て、思わず笑いが込み上げてくる。
アイツ、ほんとにあの家光さんの息子か？？
鈍臭いにも程があるぞ。
思わずボソッと呟いた時、目の前に京子ちゃんが現れる。
京子｢Aちゃん、どうしたの？ボーっとして･･･｣
貴｢考え事してただけ。･･･なんでもないよ｣
京子｢良かったぁ。もしかして具合悪いのかと思っちゃった。具合悪くないなら、ちょっとお話しよ｣
貴｢え･･･うん。いいよ｣
京子｢本当？嬉しい｣
私の隣にちょこんっと座りながら笑顔を見せる京子。
京子｢私ね、ずっとAちゃんとお話してみたかったの！あのねあのね──｣
そう言って嬉しそうに話を始める。
──あぁ･･･平和だな･･･この
そんなことを思いながら京子の話を聞き、目を閉じた。
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2021年12月8日 21時
