第４９９話 ありがとう ページ49
──ありがとう、入江さん。
もう──妖力も、炎も尽きかけてる私なんかを、信じて任せてくれて。
『“いーか、召喚獣はいねぇが武器はまだ召喚できる。しかも、そこら辺にある
修行中に言っていた師匠の言葉を思い出しながら、私は片手を前に出した。
師匠も、ありがとう。
戦う
貴｢──闇夜を纏いし、漆黒の重剣！！天空より舞い降りて今ここに具現せよ！“
私の手元が神々しく光り、重剣の形に変わっていく。
そして、手にズシッとした重みが来るのと同時に光が収束していった。
手元には、ソルディオが使っていたかなり重たい両手剣が握られている。
貴｢──ソルディオ･･･力を貸して･･･｣
柄の部分を額に当てて、小さくつぶやく。
すると、さっきまで重かったはずの重剣がレイピアのように軽くなったのがわかった。
──ソルディオが、力を貸してくれたのかな･･･。
そんなことを考えながら、重剣を片手で放物線を書くように振り下ろした。
貴｢ここで──食い止める！！｣
そう意気込んで、私はアルダとの距離を詰めた。
そんな私にアルダは妖術を次々に放ってくるけど、それを身を捻ったり、重剣で相殺しながらかわし、攻撃を加えていく。
攻撃をして、相手の攻撃をかわして──また反撃。
何回繰り返したか分からないぐらい経った頃、ふとした時に聞こえてくるのは、沢田達の戦況だった。
正一『“獄寺君！！桔梗が防衛ラインを超え、攻めてくるぞ！！”』
どうやら、敵側の１人が防衛ラインを超えて入江さんの元へ向かっているようだ。
正一『“相手より先に、
入江さんの言葉に、獄寺は当たり前なこと言ってんじゃねー、と少し不満げにしながらも絶対に通さねぇ、と意気込んでいた。
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2023年4月15日 4時
