蒼い雛鳥 ①【原神】 (ページ8)

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第一幕『浮世浮生千岩間』ページ8

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眩しい日差しに思わず目を瞑る。
秘境から出て、璃月の地を歩くのは何百年振りだろうか…。

ついに今日、
" 七星迎仙儀式(岩神が消える日) " が訪れた。

そんな思いにふけていると、

異国の衣を身に付けた少年と
背丈が小さく地面を浮かぶ子供の話し声が聞こえてきた。

地面を浮かぶ子供
「オイラたちみたいな余所者が
　璃月で岩神モラクスの名前をそのまま呼んだら、
　直ぐに " 無礼な余所者 " 扱いされるから気を付けろよ。

　だから、此処は璃月の人達と同じように
　" 岩王帝君 "って呼ぶようにしとけ。」

異国の少年
「分かった」

異国の人が想像する璃月はそういうものなのか…と。
その子供の言葉に思わず笑ってしまった。

その笑い声が本人に聞こえてしまったようで
二人は此方を見て不思議そうにしていた。

『 …ごめんなさい、
　貴方達の会話が面白くて笑っちゃった。』

地面を浮かぶ子供
「オイラたち、そんなに面白い話してたか？」

『いや、異国の人が思う璃月は
　そんなイメージなのかと、思っただけだよ。』

地面を浮かぶ子供
「ところで、お姉さんは璃月の人なのか？」

『 …うん、そうだね。』

異国の少年
「 ( 今、一瞬表情が曇ったような…？) 」

地面を浮かぶ子供
「ちょうど良かった！
　オイラたち " 七星迎仙儀式 " を見に来たんだけど…
　何処でやってるか知ってるか？」

『 …そう、それなら私が案内するよ。
　私も見に行こうとしていたから。』

地面を浮かぶ子供
「ほんとか！やったな旅人！」

異国の少年
「うん、ありがとうございます」

『どういたしまして。』

案内するとは言い出したものの、
私は何百年もの間秘境に籠っていたためある不安があった。

開催場所は…変わっていないよね？
七星が仕切ることも……変わらずだよね？

でも一番心配なのは…彼らのこと。
彼らは儀式を見に来ただけなのかもしれない。
しかし " 異国 "という言葉が、
これから始まる儀式にとっては最悪の言葉だろう。

それは…
この " 七星迎仙儀式 " で岩神が亡くなるからだ。
" 異国 " から来た彼らは真っ先に疑われるだろう。

困ったな……
岩神が亡くなるから見に行かない方がいいとは言えない…

仕方ない。
彼らと行動を共にし、罪を着せないようにしよう。

それだけが、私に残された選択だった。