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" 神の座を降りる "
その言葉を聞いた時、私は驚きも焦りもしなかった。
帝君が望むことなら私はそれに従うまで。
神が璃月から居なくなったとしても、
仙人と民の力で生きていけるかを試すことは、反対では無い。
だが、この計画を知らない他の仙人達は怒るに決まっている。
…私も怒られそうで気が進まないけど。
" お前には俺の古き友人として、
神としての最期を見届けて欲しい "
そんな言葉を掛けられたら、断ることも出来なかった。
岩神としての終わりを見ること…
それが寂しくないと言えば嘘になる。
けれど、彼が " 鍾離 " という人間として
一種の自由を手に入れることが出来るなら私は…
嬉しいし、喜ぶべきこと。
この気持ちはきっと、
留雲、削月、理水、歌塵、甘雨、魈…
それに、今は亡き仙人や夜叉、帰終だって
同じはずだから。
私が出来ることを精一杯するだけ。
. ページ7
.
帝君は
私の作業する姿をじっと見つめるだけ。
筆で紙に文字を書こうとしても、
ずっと見つめられては、作業しにくい。
まさか、何の用事も無く此処に来たんですか。
…暇なんですか、帝君。
『 所で…どんな御用で此処に？』
鍾離
「 …お前に伝えたい事があって来た。」
私が帝君に尋ねると、
先程の柔らかい表情とはうって変わり、
真剣な表情で此方を見つめた。
私に神託を下すのだろうか。
文字を書く手を止め、神の目を見た。
すると神からこんな言葉が。
鍾離
「 …俺は、今年の迎仙儀式で、神の座を降りる。」
.
.
.
.
.
帝君が私にそう言い残し、秘境を去った後、
私は帝君の言葉の意味を考えていた。
その言葉を聞いた時、私は驚きも焦りもしなかった。
帝君が望むことなら私はそれに従うまで。
神が璃月から居なくなったとしても、
仙人と民の力で生きていけるかを試すことは、反対では無い。
だが、この計画を知らない他の仙人達は怒るに決まっている。
…私も怒られそうで気が進まないけど。
そんな言葉を掛けられたら、断ることも出来なかった。
岩神としての終わりを見ること…
それが寂しくないと言えば嘘になる。
けれど、彼が " 鍾離 " という人間として
一種の自由を手に入れることが出来るなら私は…
嬉しいし、喜ぶべきこと。
この気持ちはきっと、
留雲、削月、理水、歌塵、甘雨、魈…
それに、今は亡き仙人や夜叉、帰終だって
同じはずだから。
私が出来ることを精一杯するだけ。
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作者名：rio | 作成日時：2024年3月19日 21時
