蒼い雛鳥 ①【原神】 (ページ5)

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講談を聞き終えた端正な顔立ちの男性は、
田饒舌にこう問いかけた。

???
「 …その話の続きは知っているか？」

田饒舌
「はい…ですが、幾つか書記に記されているものの、
　曖昧な物が多くこの講談は此処で終えてしまうのです。

　鍾離(しょうり)さんはこの続きをご存知で？」

鍾離と呼ばれた男性は顎に手を添えると
少し間を置き、こう答えた。

鍾離
「 …ふむ、では今度
　水泊留朔真君について詳しく知る友を連れてこよう。」

田饒舌
「それはそれは…鍾離さんの知人なら是非。」

鍾離
「あぁ…。
　それから田饒舌殿、少し頼みがあるんだが…
　茶をもう一杯頼めるか？」

田饒舌
「勿論です、直ぐにお持ちいたしますね。」

そう言うと講談師は茶を入れに席を外した。

その間、鍾離と呼ばれた男性は漉華の池の方向を向き、
少し考える素振りをしていた。

彼の表情は、
何処か懐かしむような、儚げで、優しい表情であった。

そして、
講談師が茶を入れて戻って来た時には、その姿は無かった。