蒼い雛鳥 ①【原神】 (ページ24)

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私は子供の霊を成仏させるため、
広いベランダに出て、周りを見渡した。

此処なら広いし、周りに影響も与えないだろう。
端の方には言笑が立っており、此方を横目で見ている。

私は手を空に掲げ、目を瞑るとこう述べた。

『 …彷徨う幼き魂よ、我が前に顕現せよ。』

唱え終わると目の前に、幽霊の正体が現れる。
それは、幼い少女の魂だった。

恐らく…成仏出来ない魂が、
悪意の無い状態でこの辺りを彷徨っていたのだろう。

パイモン
「 …で、出た！！」

少女の霊はどうして此処にいるのか不思議なようで
キョロキョロと周りを見渡している。

『君は冥ちゃんだね？』

冥
「 …うん」

『ごめんね、お願いがあって喚び出したの。

　実は、冥ちゃんに驚いて困ってる人がいるんだ。
　冥ちゃんは楽しいかもしれないけど…
　みんなはそうじゃないみたい。

　驚かしたり、からかったりすることを控えて欲しいの。
　…お願いを聞いてくれるかな？』

冥
「分かった。
　冥ちゃん、もうお客さんたちをからかったりしないよ。
　でも、私からもお姉ちゃんにお願いがあるの。」

『いいよ、何かな？』

冥
「お客さんじゃなくて…
　今度はお姉ちゃんが冥ちゃんと遊んでね。」

『 …もちろん。』

冥
「約束だよ…！」

そう言った少女は、嬉しそうに微笑みながら
光の泡となって消えた。

この璃月には彷徨う魂が数多くある。
私が魔神戦争に参加していた時は、よく弔いをしていた。

光の泡を見ながら、昔の思い出に浸っていると
言笑が此方へとやって来た。

言笑
「 …もう大丈夫なのか、？」

『うん、これであの子は還る場所に行ったはずだよ。』

言笑
「本当にありがとう！
　少し時間をくれ、最高の杏仁豆腐を作ってやる。」

そう言うと厨房に戻り、
素早く杏仁豆腐を作ると私に差し出した。

これで愈々(いよいよ)、魈と会う準備が整った。