蒼い雛鳥 ①【原神】 (ページ20)

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留雲が泣いている…その姿を見たのは何時振りだろうか。
少なくとも私は、帰終が散った後以降は見ていない。
そんなにも彼女を悲しませていたんだ、私は。

『 …留雲、心配を掛けて本当にごめんね。
　今は旅人の話と、削月と理水の伝言を聞いて欲しい。』

留雲借風真君
「 …後でしっかりと話をしてもらうぞ。

　君達、用事は何だ、手短に頼もう。
　妾の休息を邪魔して欲しく無いのだ。」

旅人は削月、理水と同じように
璃月港であったことを詳しく説明した。
すると留雲は目を見開き、翼を広げて怒りを露(あらわ)にした。

留雲借風真君
「帝君が…帝君が暗殺された、だと？
　な、なんてことだ！誰がそんな大罪を犯した！

　…このような荒唐無稽な話、到底信じられん。
　調べさせてもらうぞ…

　いや、いっそ先に璃月港を鎮圧してやろうか。
　後で衆仙で… 」

空
「 …えっ？」

パイモン
「えっ！？ちょ、ちょっと待った！
　璃月港を鎮圧って、なに言ってんだよ？
　璃月港を全部ぶっ壊す気か？」

留雲借風真君
「二度と同じ過ちが起こらぬよう、
　雷霆が如き手段を選ぶのもやぶさかではない。

　A、お前も三眼五顕仙人の一人…妾と共に来るのだ。」

『 … 』

空
「でも貴方は璃月港を守る仙人だ… 」

留雲借風真君
「そうだ、帝君の律令に従い、
　妾たちは璃月港を 3700年以上守ってきた。

　だが今、そこに悪が存在する以上、
　非常な手段も取らざるを得ない。」

留雲の気持ちも分かる…
でも私たちは帝君と " 契約 " を交わした仙人だ。
" 契約 " を破る訳にはいかない。

『留雲、私たちは璃月を守ると誓った " 仙人 " だよ。
　これは帝君が亡くなったとしても、
　私たちが守らないといけない… " 契約 " 』

留雲借風真君
「 " 契約 " か。
　契約の神が暗殺された今、その言葉は皮肉でしかないな。

　璃月港の人間は時折、" 契約 " を蔑ろにし、
　白黒をあやふやにする連中だ…

　だが、Aが " 契約 " の名のもとで、
　妾に協力を求めるのなら…
　妾も " 契約 " を無視することは出来ぬ。」

『留雲… 』

留雲借風真君
「削月の招へいに応じよう。
　A、妾と同じように降魔大聖と直接会い、
　話をするのだ、分かったな？」

『 …分かってるよ。』

旅人と私は留雲と別れ、
降魔大聖…、魈の居る望舒旅館へと向かうことにした。