蒼い雛鳥 ①【原神】 (ページ15)

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琥牢山 ───

この山沿いに見られる大きな琥珀岩は、
侵入者を防ぐ為、理水畳山真君(りすいじょうざんしんくん)によって
植えた花から形成されている。

私も、実際に琥珀に閉じ込められた事がある。
...あの時は意図的に理水に閉じ込められたんだけどね。

理水畳山真君が住む秘境へ着いた時、
そこには一人の盗賊が手を合わせて祈願をしていた。

男性
「仙人様、お助けください！
　お願いします…俺ら兄弟に慈悲を！
　仙人様、どうか…どうか… 」

空
「どうしたの？」

男性
「お、お前たちは…誰だ？どこから… 」

パイモン
「こっちが聞いてるのに... 」

男性
「あ！この絶雲の間を安全に行き来できるってことは...
　なるほど！あなた達は…きっと仙人の使いなのだな！
　俺ら兄弟を助けるために仙人様が遣わせた...
　使者なのだろう！」

何があったのかは分からないが、ペラペラと話す男性。
その容姿からして盗賊団の一員だろう。
まぁ、仙人という肩書きは强(あながち)間違いでは無いが。

兄弟…ということは仲間がもう一人いるはず。
だが、その姿は見えない。

きっと何か悪事を働こうとしていた所、
琥珀岩に閉じ込められたのだろう。

『君たちが琥牢山で何をしようとしていたのかは分かるよ。
　そして、私たちが助ける事も、出来ない。

　先に進もう、旅人、パイモン。』

パイモン
「え、でも… 」

男性
「そんな…俺ら兄弟は貧困に苦しんでいただけなんだ。
　琥牢山に宝があるって話を聞いて魔が差してしまった。

　お願いします！助けて下さい！」

空
「 … 」

旅人とパイモンから視線を感じる。
その表情を見るに、" 彼を助けてあげて欲しい "
という意味を表しているのだろう。

私も出来ることなら、助けてあげたい。
でも…此処(琥牢山)は理水の領域だ。
助けるにしても、理水に許可を取らなくてはいけない。

男性の方を見ると、
身体を震えさせながら私たちに懇願している。

……仕方ない。

『 …今回だけ、貴方を許します。
　二度と同じようなことはしないこと、それが条件。』

男性
「仙人の使いよ、感謝いたします！
　二度とこんなことはしないと誓う… 」

盗賊団の男性を横目で見ながら、
理水に怒られるだろうな…と考える。
何千年もの間顔を出していないことも含めて。

...会うのが怖くなってきた。