蒼い雛鳥 ①【原神】 (ページ13)

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慶雲頂のとある場所 ───
その場所には古い大きな香炉があり、
周りの木々は紙垂で繋がれており神聖な場所を示している。

此処で待っていれば、削月は来る。

幻滅されないだろうか。
今更、何しに戻ってきたと言われるだろうか。
不安な思いを頭の中で巡らせていると、厳格な声が聴こえた。

後ろを振り向くと、
黄金の眼に、立派な角を持ち、
橙色と緑、茶色、黄色の毛並みをした大きな牡鹿が現れた。

???
「何者だ？何故勝手に " 絶雲の間 " に入った？」

『 …勝手に踏み入ったことは謝るよ、削月。』

削月築陽真君
「貴様！我の名を軽々しく呼ぶとは。
　…いや待て、貴様はまさか……Aか？」

『 …久しぶりだね。』

削月築陽真君
「 …っ今まで何処に居たのだ！！
　お前が姿を消してから約二千年……
　我々がどれだけ心配し、身を案じていたことか！

　抑(そもそも)、目の前に居る水泊は…
　本物なのか？…それとも亡霊か？」

威圧のある声に一瞬身体が強ばる。
彼が怒ることは当然だ。

何千年もの間姿を消し、
何処に居るのか、生死さえも伝えなかったのだから。

今は叱りを受けている時間は無い。
先ずは計画を進めないと。

『亡霊でも悪霊でも無い、本物だよ。
　叱りは後で受ける、今は旅人の話を聞いて欲しい。』

削月築陽真君
「先にお前の話を聞きたいところだが…いいだろう。
　我は三眼五顕仙人(さんがんごけんせんにん)、削月築陽真君(さくげつちくようしんくん)だ。
　旅人よ、何故この地を訪れた。」

パイモン
「実は… 」

パイモンと旅人が璃月港で起こったことを話そうとすると、
千岩軍が私たちを追って此処まで来たようだ。

こんな所まで千岩軍がいるということは…
既に千岩軍全体に私たちのことが伝わっているのだろう。

千岩軍隊長
「犯人がいたぞ！こんな所まで逃げていたとは！」

千岩軍兵士
「隊長、これ以上絶雲の間には入れませんよ… 」

千岩軍隊長
「し、仕方ないだろう、犯人を捕らえるのが最優先だ！」

千岩軍の声が気に入らなかったのだろう。

削月は旅人に千岩軍を追い払うように指示した。
それと同時に、" 殺生はしてはならぬ " と伝えた。

彼は相変わらずだな…と思いながら旅人の戦闘を見ていた。
旅人は約束通り殺生はせず、
元素力を上手く使いながら千岩軍を追い返した。