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「うん、30万モラほどあれば十分」



北国銀行からお金を貰って、しばらくゆっくりして歩いていると。





「おい!あの子、もしかしてあいつが言ってたファデュイじゃないか?」



「パイモン、声大きい!」





なんだか賑やかな声が聞こえる。



ファデュイって、多分私だけど……。



何で私がファデュイだと分かるんだろう?





「おいどうするんだよ!また「公子」とか「淑女」みたいに何か企んでるんじゃないのか!?」




何か聞き捨てならない単語が聞こえてきた。





「君たち」



「ひぃっ」





私が目を向けると、2人は驚いている。



私は彼らの姿を見て、その姿を知っていることに気が付いた。



多分、モンドで有名な旅人たち。



確か名前は、小さい子がパイモンで男の子が空。



でもごめんけどそんなことより、彼らが私のことを知っているのが問題なのだ。





「モンドで有名な旅人だよね、さっきから私のことを話してるようだけど」



「あ、おい!近づくな!」





なんか敵対的な態度なんだけど……なんで。



え私なんかしたっけ?





「公子から君のことは聞いている」



「公子様から?」





なんで公子様とこの人達は知り合いなの? そんでなんで公子様は私のことを話してるの?



聞きたいことは山ほどあるが、とりあえず両手を上にあげて口を開く。





「とりあえず剣を下ろしてもらえないかな。君たちと争う気はない」





何より目立つしね、と肩ををすくめると、旅人たちは恐る恐る剣を下ろしてくれる。





「うん、ありがと」





まだ2人はこっちを睨んでくる。





「まだ信用した訳じゃないからな!!お前もあの計画をたくらんでるのか!?」




まさかこの人たち、ファデュイの計画を知ってるの?

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作者名:りんた | 作成日時:2024年2月6日 13時

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