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「やあ、リンネ殿。調子は大丈夫か?」
「わ、鍾離さん。来てくれたんですか?」
岩王帝君がわざわざ私にところに来てくれるとか、璃月も平和になったものよ。
「無事そうで安心した。堂主とも会ったのか?」
「う……しっかり平手打ちを受け止めましたよ……」
「ははは、堂主はだいぶ心配していたからなあ」
「嬉しい限りですね」
鍾離さんは私の様子を見に来ただけだったらしい。
私はお礼を言って、彼は部屋から出ようとする。
___公子様は……来ないのかな。
急にそう思った自分に驚く。
いやいや何考えてるんだ。
あいつに来てもらう?
そんなことあるわけないし、考えた自分に嫌悪する。
あいつは私のことなんか微塵も考えて無いって言うのに……。
なぜか、部屋から出ようとしてた鍾離さんの足が止まる。
「公子殿に、来てもらいたいのか?」
「え」
なんで____
「思い切り声に出ていた」
「まじですか……」
_______あああああぁぁやっちまった!!!!
思っただけでも嫌なのに、それを鍾離さんに聞かれるなんて……!!
ふざけんなマジで私の馬鹿ああ!!
「お願いします鍾離さん忘れてください、お願いほんとに」
「ふむ」
いや、ふむじゃなくて。
なんかないの記憶消す方法??
今鍾離さん殴って気絶させたら記憶喪失ルートない???
「ああ、しかしそういえば」
「ハイ、ナンデショウ……」
「公子殿がリンネ殿をここまで連れてきたと聞いたな」
「_____え?」
うん????
連れてき……え???
「俺も詳しく聞いたわけじゃないから分らんが……「ごめ、ちょっと鍾離さん黙ってて」……ああ」
鍾離さんかわいそうだけど、今はそれどころじゃない。
あいつが?私を?ここまで??
だって私が気絶したのあそこだぞ??
マジでよくわからん敵のアジトの中だぞ??
事前情報だとレベル1くらいの任務なんだぞ??
公子様が?仮にも執行官の一人が??
あそこまで来たと????
いやいやいやいや。
有り得ないな。うん。
「ちなみに鍾離さん、その情報が嘘の可能性は?」
「ないな」
ヘヘ……。
え、マジ?
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作者名:りんた | 作成日時:2024年2月6日 13時