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「助けていただき感謝します」
頼んでないけど。
公子様は、助けたっていうか……と微妙そうな顔で頭をかく。
「あのままだと君、あいつのことボコボコにしてたでしょ？」
う……見抜かれてる。
気まずくなってつい目をそらす。
やはり計画に関係ない人をやるのはまずいのか。
このまま止まっていても目出つため、私たちは歩き出す。
……どうやら公子様はホテルまで送って行ってくれるらしい。
＿＿＿＿「ところで、あの男の中では俺たちは恋仲にあるらしいけど」
「もう会わないことです。何と思われようと気にしません」
「俺は君となら恋仲になってもいいけど？」
「……ご冗談を」
彼は、つれないなあ、と頬をかく。
「そういうことは、他の女性の方と行われたほうがよろしいかと」
「俺は君がいいと思っているよ」
「……」
この男はこういう言葉がポンポン出てくるから、信用したらいけない。
＿＿＿＿「ちなみに、君は恋愛経験はあるの？」
「……それは……答えなければいけませんか」
できれば答えたくないけど。
「そうだね」
……まじ？
「＿＿恋愛経験はないです。今は忙しいので」
＿＿うんそうだ、忙しいからわざと恋愛をしていないだけなのだ。
断じてモテないわけではない、断じて。
「へえ、意外だね。君なら3、4度ほどあってもおかしくないけど」
こいつ基準で話さないでほしい。
そりゃこの人なら10人くらいの女性とイチャコラセッセしてても不思議じゃないけど。
「気持ちを寄せてくれる方はいます。……でも、私にも恋愛対象というものがあるので」
＿＿直球に言い過ぎ？
私は、恐る恐る彼のほうを見る。
「ははっ＿＿＿＿うん、君はそれでいい」
彼はなぜか笑っている。
今日私を助けてくれて、ちょっとかっこいいなと思ったことも、このウザさでチャラだ。
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作者名：りんた | 作成日時：2024年2月6日 13時
