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「おねーちゃんかわいいね〜! これから一杯どう?」
「遠慮しときます」
旅人たちと別れてすぐ、私は酔っ払いに絡まれていた。
死ぬほど酒臭い。
これなら送ってもらったほうがよかったかなと思うけど、もう後の祭りだ。
「そんなこといわずにさあ〜」
私の性格上声を荒げたくないだけなのだが、それをあんまり抵抗しない子と受け取られて、しつこく迫ってくる。
「彼氏いるんで」
とりあえずこう言えば撃退できるだろうと思い、そう言って足早に去ろうとする。
しかし。
「ふざけてんじゃねーよ。止まれっつってんだろ!!」
そう言って男は私の肩をつかんでくる。
え、しつこ!!!
えもうやっちゃっていい?……いや目立つのはまずいんだけどさ。
「離してください」
「こっち来いよ」
そうやって無理やり手をつかまれて引っ張られる。
男の手の感触が伝わってきて気持ち悪い。
「触らないで」
「ああ!?俺に歯向かうってのか!?」
ほんっとめんどくさいな……。
男は私を路地裏に連れ込もうとしていた。
__まあでも、路地裏ならこの男をやってもばれないかもしれない。
「分かりま__「俺の恋人になんか用?」
その瞬間、何かの声が聞こえる。
__この声は____
「さあリンネ、行こうか」
公子様だ。
「待て!!そいつは俺の__「二度と」
男が話している途中に割り込む彼。
「二度と俺らに関わるな」
「ひぃっ」
この男の気迫に、男は怯え逃げていく。
…公子様ったらこわ〜い……。
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作者名:りんた | 作成日時:2024年2月6日 13時