公子様には騙されない (ページ12)

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「お疲れ様、よく頑張ったね」

「…公子様ぁ……」

あれから数日後。

私は、公子様と女性の部下が会話しているのを見かけた。

女性の方は頬を赤く染めていて、明らかに彼のことが好きそうな様子だ。

まあ無理もない。顔だけは抜群に整っているもんな。

……私もタイプじゃないとは言い切れない。初めて公子様を見たときはかっこいいと思ったものだ。

今はまったくだけどね！！

とかそんなことを思っていると＿＿＿

「！？！？！？」

公子様が女性の頭をなでているのを見た。

一瞬のうちに沸きあがる嫌悪感。

は、まさか……あれをみんなにやってるってこと？

……ああ分かった。だから彼の周りには女性の部下が多いのか。

扱いやすいから？

「＿＿＿＿＿＿女たらし。さいてー……」

そう呟いてその場を後にする。

花を貰ってうれしかったなんて、馬鹿みたいだなって。

＿＿＿＿＿＿
＿＿＿

「そーゆーわけで、公子様が私を好きってのはあり得ないんだよね。あの人にとっては仕事の一環にすぎないの」

「うわ……あいつ最低なヤツだな！」

「そーなんですよー」

だから騙されないでね、と言いながら私は立ち上がる。

「今日は話を聞いてくれてありがと、すっきりしたよ。＿＿＿＿それじゃ、私はそろそろ帰ろうかな」

そう言うと、空は心配そうにこちらを見る。

「一人で帰れる？」

「そうだぞ！さっきまであんな状態だったんだから、送っていくぞ！」

優しすぎない？？

いやでもさすがにそれは悪いから。

「気持ちだけもらっておく。じゃあ、また今度ね」

「了解。じゃあね」

「ゆっくり休めよ！」

2人と別れを告げて、ホテルへと向かうのだった。