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「ひいいぃぃ!! 謝る、謝るから許してくれ!!!」
___ドスッ___
「うがあああ!!」
公子様は落ち着いて男を気絶させる。
こういうところはかっこいいんだからやめてほしい。
「ふう…任務完了ですね、公子様。……そいつは連れて帰りましょう」
「さすがだねリンネ。よく頑張ったよ」
そう言って、彼は私の頭をなでる。
「……ありがとうございます……」
____その時、髪に何か刺される感触がした。
「さて、これは俺からのお礼だ。大事にしろよ」
鏡を見せてもらうと、白い花が髪に刺さっていた。
「……わ、きれい……」
その花は今まで見たことなくて……うーん、悔しいけど正直好み。
公子様もなかなかやるじゃん?
「気に入ってくれたかな?」
「……えと、頂いて良いんですか」
「うん、君のために用意したんだ」
その白い髪によく映えるね、と彼は私の髪を一房手に取り、そこに____口づけを落とす。
「へっ……」
急なことに驚いていると、その顔が面白かったらしく。
「くくっ」
「……なにかおかしいですか」
ムカついたので、少し言い方がきつくなってしまう。
「いや、君は面白いね!気に入った。___次の任務も君を指名しようかな?」
「……お好きにどうぞ。私は従うまでです」
私の何がいいのか分からないが、どうせ歯向かうことはできないし、なんでもいいだろう。
こいつはなぜか楽しそうだ。
うーん……なんか憎たらしいんだよなあ。
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作者名:りんた | 作成日時:2024年2月6日 13時