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____まーじで最悪だ。…まさか仕事先が被ったのだろうか。



あまりの驚きに、脳が動いてくれない。











____彼は「公子」。



私と同じファデュイであり、執行官第11位で…………いわば上司である。



何回か仕事を一緒にする機会があったのだが、この人は何かとつかめない人で、正直なところ苦手だ。…いやかなり。



本名はタルタリヤというらしい。私はそう呼んだことなんて一度もないけど。






「……近いです」



「はは、驚くかなと思って」





あと距離が近い。







「……なぜ、ここにいらっしゃるんですか」



「うーん、なんでだろう。そんなことよりあの人殺さなくてもよかったんじゃない?」





はぐらかすな。





「彼は依頼者から殺してほしいと頼まれたので」



「律儀だなあ、俺と仕事した時から変わってないね」





崖の下をのぞいて楽しそうにする彼。



なんだか昔のことを出してくるあたり気持ち悪いのだが、そんなことを忘れさせるほどの顔の綺麗さに、イケメンって得だなと思わされる。





「まだ花つけてるんだ」





……彼は私の髪についている花を触ってそう言う。





「貰い物を捨てるほど腐ってません」






一応そう返しておく。



うんでも今は花がどうとかそんなことは置いといて、ひとまずこいつと離れたい。



こんな人と仕事をするなんて、ぜえったい嫌だ。





あそうだ、ちょうどお金が足りなくなってきたし、北国銀行に行って今後の資金をもらいに行こう。



そうと決まれば行動だ。





「では私はこれで___「あ、今から北国銀行行こうと思うんだけど、君も来る?」





____は????



え心読んだ?むりなんだけど。



……でもこうなったら選択肢は一つしかない。








「……………………ご一緒させていただきます……」





ほんと嫌になる。

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作者名:りんた | 作成日時:2024年2月6日 13時

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