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「来るな!!!!」
ここは璃月。
一人の宝刀団の男が、自分に迫る
後ろは崖、絶体絶命のピンチだ。
しかし、男には勝算があった。
滴る冷や汗を無視するその男の口には挑戦的な笑みが浮かんでいた。
「__それ以上近寄るんじゃない。飛び降りるぞ!!____俺の持つ情報が欲しいんだろう?」
男は知っていた。
この言葉を言えば、本当に情報を持っているわけではなくとも、敵を油断させることができると。
そうしてから反撃をする___長年の生活で培ってきた技術だ。
ましては、今目の前にしているのは華奢で弱そうな少女である。
伊達に宝刀団をやってきたわけではないのだ。
男の前のモノ____いや彼女は、男の言葉を聞いて歩いていた足を止める。
いける、と確信する。
「俺を解放することを約束しろ。そうしたら____」
____刹那、男は地面に倒れこんでいた。
目の前の少女がやったと理解するまでにそう時間はかからなかった。
____目が閉じる寸前男は、目が奪われるほど綺麗な氷が、彼女の周りで舞っているのを見た。
「くそぉ……!!」
男が最期に残した言葉だった____
「__ごめんね、依頼だから」
その言葉とともに、彼女は気絶させた男を崖の下に
つやのあるストレートの髪をなびかせる彼女の太腿には、氷元素の神の目が光っていた。
_________
______
ふう……と、一仕事終わった安堵感で息をつく。
小さな仕事でもガチガチに緊張してしまうこの癖は早々に直さないといけない。
私は顔につけた仮面を取りつつ、ふと考える。
__あーこれじゃあの人に笑われちゃうかな……___
「やあリンネ、奇遇だね」
ヒュッと乾いた息が出る。
やばいやばいやばい。控えめに言ってやばい。
だってちょうど考えていた人の声が後ろからするのだ。
恐る恐る振り返るとやはり、いつも通りの胡散臭い笑みを浮かべて立っている。
「____
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作者名:りんた | 作成日時:2024年2月6日 13時