消える傷と怖いものと出会い-2 ページ10
その後もボガードは、ネズミや蛇、ミイラ等、生徒たちの怖がるものに次々変身しては、滑稽な姿に変えられていく。
皆が奮闘する中、Aはひたすら悩んでいた。
「(お化け、大して怖くない。虫、好きじゃないけど別段怖くはない。食べ物の好き嫌いは、あくまでも嫌いであって怖いではない。………わたし、怖いものが存在しないのか…？)」
自分の怖いものが分からなくてずーーーっと悩んでいた。何も思い浮かばなかった。
「(ぶっつけ本番でやるしかない！)」
そう決意した矢先。
「こっちだ！」
ルーピン先生の突然の叫び。
ハリーの順番に、一体何に変身しようとしたのか…ボガードはハリー向けの姿から、ルーピン先生向けの姿へ変化。銀白色の球体に変わったボガードは、ルーピン先生の呪文で穴が開き、ゴムボールか風船の如くすっ飛んで、洋箪笥の中に戻ってしまった。
授業はそこでお開きに。Aが散々悩んでいた時間も、無意味となった。彼女の最も恐ろしいものも、分からないままである。
なお当のAは、もう1つの選択科目「古代ルーン文字学」が普通に面白くて、ボガードの件は即座にどうでも良くなった。
ぴょん、とジャンプ。届かない。再チャレンジ。届かない。ぴょーんと大ジャンプ。指先が触れた。
「と、届かない………っ！」
Aはその日、苦戦していた。本棚の前で。
目的は棚の1番上に入っている、厚めの本。西洋人に合わせた高さで作られた棚の1番上に、成長期ジャパニーズな彼女の手は、ギリギリ届かなかった。決してチビな訳ではない。棚が高過ぎるのだ。
そこへ、救世主が現れた。
「取りたいのはこれかな？」
Aの頭より高い位置を簡単に通り過ぎる腕。そしてその腕は、取りたかった本を掴み、彼女に渡してくれる。
「あ、ありがとう…」
腕の主は、ハッフルパフの監督生、セドリック・ディゴリー。
「(うーん、すげぇイケメン)」
実質初対面の彼は、イケメン過ぎてキラキラしていた。
「君、トコハだよね？あのマルフォイが唯一、丁寧に扱うグリフィンドール生として、噂になってるよ」
「何ですと」
そのイケメンに、聞き捨てならない話を聞かされてしまった。
「せっかくの機会だ、僕ともぜひ仲良くして欲しいな。セドリック・ディゴリーです、よろしく」
「あっはい、どうぞよろしく」
で、あれよあれよという間に自己紹介され、友達認定されてしまった。この間2分。
イケメンはコミュ力もエグかった。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←消える傷と怖いものと出会い-1
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一般市民B(プロフ) - お待ちしてました！！イケメンのコミュ力パネェ…更新頑張ってくださいね！ (2022年2月8日 18時) (
レス) @page10 id: aa0bfcf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
CHIA(プロフ) - めっちゃ面白かったです！これからも頑張ってください(￣^￣)ゞ (2021年9月4日 15時) (レス) id: a32ddc8099 (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 続編おめでとうございます！凄く面白かったです！更新頑張ってください!おめでとう (2020年11月8日 22時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：☆りんりん♪ | 作成日時：2019年8月4日 2時
