消える傷と怖いものと出会い-1 ページ9
寮の談話室に戻ってハーマイオニーを筆頭にみんなに心配してもらい、一晩寝て、起きて。
包帯を変えようと思ったら、傷が存在しなかった。
「(え？そんなことある？？？)」
何回見ても、そこに無いものは無い。動かしても、傷のあった箇所に触れても痛くない。
「なん…え…？何故………？」
「と、とりあえず医務室へ行きましょう！」
ハーマイオニーと2人でパニクって、医務室へ駆け込んだ。
「数え切れないケースのケガを見てきましたが、こんな経験は初めてです」
マダム・ポンフリーにもそう言われ、本当に痛くないのかと繰り返し確認され、何かあればすぐ来いと念押しされて、医務室を出る。朝食を食べ逃さずには済みそうな時間で、Aはホッと胸を撫で下ろした。自分はともかく、付き添ってくれたハーマイオニーが朝食を逃したらさすがに申し訳ない。
ルーピン先生による「闇の魔術に対する防衛術」を、昨年よりは圧倒的にマシだろうと予測する者は多かった。かく言うAも、今年は良い予感を抱いている。
初授業は、まね妖怪ボガードを使っての実習。
「それでは、ボガートとは一体何でしょう？」
「形態模写妖怪です。私たちが、一番怖いと思うものはこれだ、と判断すると、それに姿を変えることができます」
「私でもそんなに上手くは説明できなかったろう」
ルーピン先生の問いに淀みなく答えたハーマイオニーは、褒められて照れていた。
そう、ボガードは、対峙した相手の最も恐ろしいものに変化する。
だ が し か し。
「(わたしの最も恐ろしいもの is 何)」
そもそも己にとって最も恐ろしいものとは何なのか、全く分かっていないのが、Aという人間だった。
ボガード退治の呪文は、「リディクラス(ばかばかしい)」。これを唱えれば、ボガードの姿は怖くないものに変わる。
初っ端に対峙したのはネビル。ボガードの入った洋箪笥を前に、彼はビクビクしている。
「1、2、3…それ！」
ルーピン先生の杖からほとばしった火花が、洋箪笥の取っ手に当たると、勢い良く扉が開く。
現れたのは、スネイプ先生…………………の見た目に変化した、ボガード。
ネビルの最も恐ろしいものは、スネイプ先生らしい。さもありなん。
「リ、リディクラス！」
怯えながらもネビルが呪文を唱えれば、パチンと鋭い音の後、偽スネイプ先生はクラシカルなフリフリのドレス姿に。ネビルのおばあさんの服である。なるほど、全然怖くない。
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一般市民B(プロフ) - お待ちしてました！！イケメンのコミュ力パネェ…更新頑張ってくださいね！ (2022年2月8日 18時) (
レス) @page10 id: aa0bfcf6a1 (このIDを非表示/違反報告)
CHIA(プロフ) - めっちゃ面白かったです！これからも頑張ってください(￣^￣)ゞ (2021年9月4日 15時) (レス) id: a32ddc8099 (このIDを非表示/違反報告)
由瑞 - 続編おめでとうございます！凄く面白かったです！更新頑張ってください!おめでとう (2020年11月8日 22時) (レス) id: 8d4739ba12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆りんりん♪ | 作成日時：2019年8月4日 2時
