ただ平和であることの幸せを知る-1 ページ31
試験開始3日前の朝。マンドレイクの収穫が可能になり、今夜、石にされたみんなを元に戻せることが発表された。
スリザリン以外のテーブルでは、歓声が大爆発。Aも密かに、テーブル下でガッツポーズした。
「(ハーマイオニーにまた会える…！)」
何よりも……………大袈裟でなく本当に何よりも。きっと今年度の中で1番うれしい出来事だと、彼女は思った。
ハリーとロンと、ついでにロックハートが秘密の部屋に入り、リドルを倒してジニーも連れ戻したことは、もちろん彼女は、まだ知らない。無関係だからだ。
例え知っていたとしても、Aは恐らく、あまり大きな興味は示さなかっただろう。如何せん、ジニーとは顔見知り程度の認識しかないし、ロックハートなんてマジでどうでも良い。
夜、Aは医務室で、ハーマイオニーの復活を待っていた。
マンドレイクの薬はすでに、マダム・ポンフリーによって飲まされている。なのであとはひたすら、ハーマイオニーの目覚めを待つのみだった。
長くも短くもある時間が経過し、ついに。ハーマイオニーが、ゆるりと目を開く。
「………ハーマイオニー？」
恐る恐る呼びかけてみれば、彼女は数秒、虚空を見つめてから。
「…………………トコハ…？」
こちらを向き、Aの名を、呼んだ。
「ハーマイオニー！」
「わっ」
思わず、ぎゅうっと抱きつく。驚いたように目を見開く友は、けれどAの腕がほんの僅かに震えているのを視界に入れ、咎めるのはやめた。
「良かった、ほんとに良かった…もう2度と話せなかったらどうしようかと………」
自分で自覚している以上に、Aは恐怖していた。親友を喪っていたかもしれないことに。それこそ、秘密の部屋への興味が綺麗さっぱり消え失せる程に。
ハーマイオニーは、彼女の背に自分の腕を回し、ぽんぽんと撫でてやる。他の友人たちとは何かが違い、どこかが歪んでいて。それでも心の奥底に優しさを持つ友が、こんなにも自分を大切に想ってくれているのが、ハーマイオニーは素直にうれしかった。
「いっぱい不安にさせてごめんなさい。ありがとう」
ありがとう。
友人の言葉は、何となく心がポカポカして、温かかった。
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☆りんりん♪(プロフ) - 鯉天さん» ありがとうございます！最近忙しさがヤバイですが、更新がんばります！ (2018年8月15日 0時) (
レス) id: bbc438c362 (このIDを非表示/違反報告)
鯉天(プロフ) - 前作も読みました！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2018年8月14日 17時) (レス) id: 4ca258a6ba (このIDを非表示/違反報告)
鈴 - 賢者の石も読ませてもらいました。とても面白いです！続きがとても気になります。 (2016年9月7日 0時) (レス) id: f2e1a1e1a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：☆りんりん♪ | 作成日時：2016年9月6日 22時
