「優しいひと」美風 藍 ページ4
仕事が終わり藍は楽屋に戻った、いつもなら仕事が終われば衣装から私服に着替えすぐに帰っているのだが今日はそのような気分ではなく椅子に座り近くに積み重なっていた男性誌を手に取り読んでいた。一枚、また一枚とページを捲ると見覚えのある顔が写っていた。
「……なにこれ、」
【アイドルAに聞く15の質問】という見出しがあった、アイドルなのだから雑誌のインタビューはあってもおかしくないのだが何故か無性に腹が立っていた。藍は、Aに出会ってからこんな気持ちになることが多いな…これも一種のバグかなと思い何度か博士がいるラボにも行ってみたが博士はただただ笑って、それはバグではないよと言っていた。藍は意味が分からなかったが取り敢えず博士が言うなら…と引き下がっていた。
そして雑誌の一番最後の質問が<好きな異性のタイプ>であった。藍は珍しく興味を抱き目を通してみれば解答欄には優しいひと、と書いてあった。
優しいひと…僕には程遠い言葉だな何故Aは僕と恋人同士なんだろう、といつもなら絶対に考えないことを考えてしまった。藍が悶々と考えていたらバンッと勢いよく扉が開く音がした。音がした先にはどこから僕の居場所を聞きつけたのか分からないがAが立っていた。
「ドアは静かに開けてくれる?うるさいんだけど。」
「ごめんね、藍。さっき寿さんに会って藍は楽屋にいるって言われたから来ちゃったんだー」
「ふーん」
嶺二が言ったのか、と藍が思っている最中にスタスタとAが僕の座っている場所に寄ってきていきなり「あーーー!!」と大きな声をあげた。
「そっ、そそそそそそれ読んだの!?」
「読んだけど…なんかいけないことでもあるの?」
「…………好きな異性のタイプとか全部藍のことを想像しながら答えたから、恥ずかしいじゃん…」
僕は耳を疑った、ということはAは僕のこと優しいと思ってるの?と質問してみると「あったりまえでしょ!」と満面の笑みで返ってきた。その瞬間モヤモヤしていた気持ちが一瞬にして晴れたのだった。
(…ふーん)(あれ?藍照れてるの?)(そんな分けないでしょ、自意識過剰だよ)(ふふっ、そっかそうだね)(なにその態度気にくわないんだけど)(ごめんごめん、藍は優しい上に可愛いなぁって思ってさ)(…なにそれ意味分からないんだけど)
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りんね(プロフ) - うたプリlove☆さん» ありがとうございます!!最近はまったく更新できていなくて申し訳ありません。一応これからも更新予定なので末長くお付き合いいただけたら幸いです(^^) (2014年11月8日 6時) (レス) id: 9703cf26bf (このIDを非表示/違反報告)
うたプリlove☆ - この小説面白いです!! (2014年11月8日 3時) (レス) id: b4b3dce103 (このIDを非表示/違反報告)
りんね(プロフ) - いんでぃご@長期活動休止中さん» ありがとうございます(^-^)最近なかなか更新できてないのですがこれから頑張るのでよろしくお願いします!! (2014年10月25日 22時) (レス) id: 9703cf26bf (このIDを非表示/違反報告)
いんでぃご@長期活動休止中(プロフ) - コメント失礼します。上手く言えないですが、この空気感が好きだなぁと思いました。更新楽しみにしてます(`・ω・´)ゝ (2014年10月25日 22時) (レス) id: 18770f168d (このIDを非表示/違反報告)
なつめるいおり(プロフ) - りんねさん» うちもだから、大丈夫!超がつくほどの駄作だから(シャララ☆ (2014年10月7日 0時) (レス) id: ebd4ad0559 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんね x他1人 | 作成日時:2014年2月17日 19時