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「そういえば貴方の荷物、結構重そうですね。一体何が入ってるんですか?」


腕を解き、紅明は不思議そうに鞄を見た。

あぁそうだ、これを説明しないと。


「ユナンがね、私にくれたの。これは魔力圧縮菅、私が失踪していた間に溜めに溜め込んだ魔力が入った筒でこれを使って母上を打つのよ」



数は200ほど。これだけあればあの結界が張ることができる。
少し覚えるのに苦戦したけれど、ユナンと何度も簡略化する研究をしたからきっと大丈夫。


紅明は私から離れ、その筒を興味深そうに手に持って眺めた。
こんな技術、中々にないものだものね。



「どう使うのですか?こんなにも沢山……。確かに魔力があるに越したことはないですが、これだけあると動きづらくないですか?」

「それは戦う時に持つものではないわ。それを使って結界を作るの。
 ……絶縁結界をね」

「なんですか?その結界は。聞いた事もありません」



確かに、この国の至る書庫を見たってこの結界の名前はないでしょうね。
だってこれはマギぐらいの魔道士でなければ発動できない大掛かりのもの。しかも世には出回っていない結界。




「……教える前に、紅明。一つだけお願いを聞いてくれる?」



これはユナンと約束した事。
この結界は世に回ると大変な事になる。



「私の結界は絶対に今回の件でしか使わないわ。それを約束してくれる?」

「……それほどまでに強力なのですか?」



コクンと頷く。すると紅明は一瞬考えたけれど、すぐに頷いてくれた。



「分かりました。約束します」

「ありがとう。実はね、その結界は魔法を無力化するものなの。
 その結界にいるものは一切魔法が使えないわ」



言い放った瞬間、紅明は目を見開いた。
そして、しばらく目を伏せた後に私を見つめた。



「なるほど……。確かに玉艶は周りにアル・サーメンを侍らしていますが、それは殆ど魔力でできた人形。そして彼女も魔道士。その結界はとても利くでしょう」



惜しいと思っているのでしょうね。
そんな結界があればこの先どんな戦でも紅帝国は絶対的な力を示すことができる。


でも……それは私に力と知恵を貸してくれたユナンを侮辱する行動だわ。
例え紅明に言われたって、絶対に頷く事はできない。



「そんな魔法があるんですね……」



ボソッと言った紅明は筒を見ながら目を細めた。
きっと彼の頭の中では、同じ結界を作る研究機関でも考えているのでしょう。
いつになっても貴方は変わらないわね。

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あすき(プロフ) - 今でも更新待ってます! (2020年9月29日 21時) (レス) id: a838b5fe09 (このIDを非表示/違反報告)
雑草と花(プロフ) - 紅明さんめちゃくちゃかっこいいです!更新楽しみにしてます! (2020年3月3日 9時) (レス) id: 157490c8f1 (このIDを非表示/違反報告)
エンジョイヌ(プロフ) - 更新が再開されるまで、待ってますね! コメントが二つに分かれて申し訳ないです…… これから応援させてください!お話書くのすごく時間かかるし大変なのは存じてます!それを承知の上で頑張れと応援させてください! しおり挟んで待ってます!( ̄^ ̄ゞ (2018年8月27日 0時) (レス) id: 6aa42b68c7 (このIDを非表示/違反報告)
エンジョイヌ(プロフ) - なんて素敵なとこで更新止めちゃってるんですか!!初めまして!私今日初めてこの作品を知って2時間もなしにぶっ通しでよみました!気がついたら最新話はまで来てました!それくらいこの作品は面白いです!もっとこの作品の続きが読みたいです!この作品の行先が読みたいです! (2018年8月27日 0時) (レス) id: 6aa42b68c7 (このIDを非表示/違反報告)
ウォリア(プロフ) - 黒瀬のんさん» ありがとうございます。更新頑張りますね! (2018年1月22日 18時) (レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水溶液 x他1人 | 作成日時:2016年12月14日 21時

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