ページ ページ5
*
あの後、母上が先に部屋を出てしまった。
……この子と二人か。
「ジュダル、貴方はこれからどうするの？」
「別に、俺はどうせアイツらの監視があるし」
アイツら？
首をかしげる私にジュダルがため息混じりに説明する。
「顔を隠して、布を頭にかけてるやつ。玉艶の周りにいつもいるだろ」
「えぇ……」
でもどうしてこんな小さな子が？
神官だから？でも監視がいるの？
「……俺は白雄らともお前とも紅炎とも、違うんだ。アイツらが言ってた」
ジュダルの様子が少し怖かった。
幼い彼には似合わない、その雰囲気が。
そして異様なほどの黒ルフの集まりが。
「ジュダ……」
「ここにいましたか、神官殿」
障子が開く音と共にジュダルのいう者達が現れた。
黒いルフが先程よりも増した気がする。
「おや、白A殿もご一緒で？いけませんよ、神官殿。貴方は"違う"のですから」
ジュダルの表情が曇った。
なんだ、この大量の黒いルフ。今まで何とも思わなかった黒いルフが鬱陶しいくらいに思えた。
「白A殿も困ります。あまり神官殿を甘やかさないでください」
一瞬感じた嫌悪の感情。
……なるほど、皇女の私にそんな言葉を使うなんてね。
「心得ましょう。ただ、明日から私はジュダルと共に魔法を習うのです。
それくらい、融通が聞きますよね」
ギロっと睨みつける。すると、臆したようにそいつらは一歩下がった。
当たり前だ。私は父上に顔が似てる。
貫禄はなくとも、威圧くらいは出せる。
ただ、隣でジュダルの視線が気になった。
さっきまで下を向いていたのに。
「……白A、そんな目ができるのかよ」
「え？」
思わず眉をひそめる。
どうしてこの子は今そんな事を言うんだろう。
ただ、怖がっているようには見えない。
むしろ興奮しているように目を輝かせている。
「なんでもねぇよ。じゃーな白A」
タッタッタと離れるジュダルを私はぼーっと眺めた。
なんだろう、この感じ。
周りに残った黒いルフが耳元で鳴った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 89人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水溶液(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!少し話しがバラけて……最近、ようやく話の筋がまとまったのでこれからは今までよりも一生懸命頑張りますね！ (2016年8月7日 0時) (
レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 楽しく読まさせいていただいてます。更新頑張ってください (2016年8月6日 23時) (レス) id: 9f77e6e9ef (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：水溶液 x他1人 | 作成日時：2016年7月28日 23時
