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*
「私は……武人になります」
聞こえたのは自分が予想した返事だった。
貴方なら……きっとそう答えると思いましたよ。
わかってたんです。でも、本当はちょっとだけ期待してたんです。
「そうですか」
ようやく、心に区切りがついた。
朝兄王様が言っていた話、自分は皇子だと改て確認できた。
……私の考える、最善はこうするしかないんです。
「でも、なぜ今そんな事を聞くのです？」
「……後半年すれば貴方の誕生日がきます。
今日の祝いの席で、噂されていたんですよ。
早めに武人になって皇女の責務を薄めた方が特です」
「う、噂とは……？皇女の責務を薄め、武人と迫るほどのものなんでしょう？」
やっぱり本人は知らなかったんですね。
それもそうです、あんな隠れていたし……。
「自覚はないでしょうね。……男性にとって貴方のように美しい人は人気なんですよ」
きっと、貴方が成人する時には婚儀を迫ってくる男が沢山いる。
私は今日気づいたが、兄王様は前々から思ってたんでしょうね。
「そんな事……。私は普通ですよ」
「顔だけ美人は山ほどいます。身の振り方や気品は貴方ほどある人はそうそういません」
本当だったら、私が守るべきだった。
自分の詰めの甘さに嫌気がさす。
兄王様のように彼女を守れないのは不甲斐ない。
「明日から、午後の仕事もいいです。兄王様のところで武術を学んでください」
午後はこっちで一緒に仕事をする事も可能だが、それじゃダメです。
今自分の甘さを理解して、今後どうするかを考えると一度彼女と距離を置くのが重要です。
……それに、最後に触れられてよかった。
「紅明殿……」
「ほら、行ってください」
背中を押すと、彼女が一歩前に出た。
……鍛えてたって、こんなにも軽く、押せば揺れるのですね。
「……言葉以外は反対の意思を持ってるんですね」
小さく聞こえる彼女の声は、きっと私にしか聞こえない。
けれど、これに反応すれば引き止めてしまう。
早く行ってください。
その気持ちだけで彼女を見る。
すると、彼女は困ったように眉間に皺を寄せながらクスッと笑った。
まるで、子供を見るような目。
これは貴方がよくする目だ。
「身分なんて、なければいいのに」
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水溶液(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!少し話しがバラけて……最近、ようやく話の筋がまとまったのでこれからは今までよりも一生懸命頑張りますね！ (2016年8月7日 0時) (
レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 楽しく読まさせいていただいてます。更新頑張ってください (2016年8月6日 23時) (レス) id: 9f77e6e9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水溶液 x他1人 | 作成日時：2016年7月28日 23時
