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「およびですか、兄王様」

「あぁ、だがまだそう呼ぶな」


よくいう。今日は成人式で、がっつり正装して……。

ふぁ……。こっちも正装するからと叩き起され眠い。



「まぁ、少ししかないが話したくてな」


右手を上げて人払いをする兄上。

見れば見るほど様になっている。
以前まで白が多かった部屋もいくつか塗り替えられ紅になって……。

時代の変わり目というものなんでしょうね。



「……お前は、白Aをどう思っている」



白A……?


「気づかないと思っているのか。どうせ慕っているんだろう?
 身分や立場に悩まされて、自分の目の前に縛り付ける事を余儀なくしたんだからな」


焦りという気持ちはやっかいで、思考を鈍らせる。

兄上は今なんと……。


「気づいてたんですか」


「当たり前だ。お前のあんな目初めて見た。
 しかも、二人で話してる時を見れば仲がいいのがよく分かる」



兄上は私を咎めたい訳ではないと思った。
本当にそうならこんな言い方をしない。
むしろ、何かしらの注意をしてくれるんだろう。



「だが、これから俺達は立場がさらに高くなる。
 もし、一緒になれても公の場では晒せない。白Aも第一皇女の立場があるだろう。
 側室にも入れれなければ、側近にもできない。アイツとは密会でしか会えなくなるぞ」

「そ、そんな事は分かっています……」



わかってて、彼女を自分の元へと縛り付けた。



「練紅明という人間ではなく皇子で見られる事を覚えておけ。
 俺達はもうあの人達が前に進んでくれて、後から歩く者ではなくなった。

 立場を守れ、身分を知れ。……白Aは武人にして俺の元へ来てもらう」


えっ……?


「何を……」

「そうするべきだろう。いつまでも皇女の名前をつけていれば、どこへ嫁がなければならん。
 俺は……白Aに言ったからな。どっちにしろ白瑛もこちらに来る事にする」



兄上の発言で思い返す。

そう、兄上は言っていた。彼女が額づき、すがった事を。

私には絶対にしない、最高礼。



「し、しかし……。女人が戦場に出るなど……」

「甘い事をいうな。変に皇女としてのあり方を押し付けるのを阻止するにはこうするしかない。
 それに、こっちに来るといっても午後の仕事はそっちでやらせる。それにまだ先の話だ」


先といっても……。




「あんな女……みすみすどこかにやるのは惜しい」

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水溶液(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!少し話しがバラけて……最近、ようやく話の筋がまとまったのでこれからは今までよりも一生懸命頑張りますね! (2016年8月7日 0時) (レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 楽しく読まさせいていただいてます。更新頑張ってください (2016年8月6日 23時) (レス) id: 9f77e6e9ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水溶液 x他1人 | 作成日時:2016年7月28日 23時

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