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*
「どう思う」
「とても壮大な話ですね」
無難な答えだ。
きっと彼はこんな答えを望んでいない。
現に紅炎殿は今眉間に皺を寄せている。
「例え……他国に独裁者と呼ばれても、戦好きの血に飢えた男と言われてもかまいませんか？」
「ああ」
表情一つ変えずに話す彼の隣で紅明が悲しそうな顔をしているのが見えた。
それもそのはず、自分はどう思われても構わない、と紅炎殿は暗に言っているからだ。
「もし、自分の国の中に反逆者がいても受け入れますか」
「どの国にもいるだろうそういう奴は」
そうですね、口でいうのは簡単ですね。
「じゃ……」
こんな機会滅多にない。
それに、自己犠牲を払おうと紅炎殿がしているのなら、その覚悟を私に見せて欲しい。
「白雄兄上と白蓮兄上が私の母上に殺されたと知っても、
貴方は母上を受け入れるのですね？」
我ながら酷な話だと思う。
一瞬揺らいだ彼の瞳を逃さなかった。
私は知ってる。紅炎殿がいつも白雄兄上に憧れていたことを。
幼い頃の彼の大事な一ページはきっと兄上がいた。
「白A殿！」
聞こえた声は紅明の声。
けれど、それを制したのは紅炎殿だった。
「それは……事実か」
聞こえた声は震えていた。
「じゃなきゃ貴方に話しません」
紅炎殿はきっと今答えを迫られている。
一つは、自分の意思を曲げずそれでも受け入れるという。
もう一つは、私の気持ちを思って、自分の意思を曲げる。
貴方の覚悟を見せてください。
「俺は意思を曲げない」
強い眼光だった。
まるで何かを押し殺すような。
「そうですか」
空気が重たかった。
けれど、私の気持ちは少し軽い。
「今の問は、誰でも答えれる物ではありません。
……紅炎殿は強い、そして何も言わないけれど、憂いでいるのでしょう？
私に悪い事をした、って」
目の前の彼の瞳を私は逃さず言い放つ。
自分にできる最高の笑顔で
「本当は誰よりも優しい貴方を、私も紅明殿も知っています。
貴方が世界を一つにする道を貴方が進むのなら、私達は貴方の前にある小石を蹴って差し上げま す」
紅炎殿の目に溜まった水を、私は逃さなかった。
急いで下を向いて隠す彼は、もう一度顔をあげる頃には変わっているだろう。
私達の未来の皇帝の姿に。
「散々の無礼お許しください」
「……あぁ」
少し震えた声が耳に響いた。
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水溶液(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!少し話しがバラけて……最近、ようやく話の筋がまとまったのでこれからは今までよりも一生懸命頑張りますね！ (2016年8月7日 0時) (
レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 楽しく読まさせいていただいてます。更新頑張ってください (2016年8月6日 23時) (レス) id: 9f77e6e9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水溶液 x他1人 | 作成日時：2016年7月28日 23時
