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私には歳が一つ違う従兄妹がいる。
その人は私が物心ついた頃は、まるで何かに囚われているような目をしていて怖かった。
でも、いつからかは分からないがその人の目は、この国を見据えるような目へと変化した。
思えばその頃からだ。
私が白A殿を慕っているのは。
それでも身分の違いは大きくて、諦めるしかないのに……。
彼女は誰に対しても平等で、私に対しても優しかった。
大帝の弟が自分の父なため、どうしても表の話しより裏の暗い悪口が耳につく。
それが嫌で、逃げるために本を読み、どうにかして表に行きたいと思った。
自分は戦力になるような力は持っていないのはとっくに自覚している。
だからこそ、政治の面や軍事の面で表へ出たかった。
そうすれば彼女の傍にいれるから。
「嘘だっ、有り得ない！」
胸の中で必死に暴れる彼女を見下ろすのは今までにないほどの興奮を覚えた。
自分でも歪んだ気持ちだと思う。
けれど、誰だって長年縮めようとして距離がこうも簡単に縮まるとこうなってしまうものでしょう？
身分がこうも簡単に変わるなんて。
分厚く、高い、壁だったのに。
「貴方が思っている私はどんな私ですか」
彼女の口から自分が望む完璧な答えが出るとは思っていない。
でも、これをきっかけに気づいて欲しい。
「頼ってください。貴方が身分に臆するのなら、私が後ろ盾になります」
「……大口叩くなら、それを実証してください！
たかが14歳で何が後ろ盾ですか。馬鹿にしないで！」
胸板を殴られ、驚きで腕の力が緩まると彼女はすぐに腕から脱出した。
やっぱり……白A殿は一筋縄でうまくいくような人ではない。
気高く、気品のある人だ。
「分かりました」
白A殿が落とした槍を持ち上げる。
案外重いな……。こんなものを振り回していたのか。
「ひとまず、その手の治療をしましょう。外傷に効く薬は持っています」
「いえ、結構です。槍は重いでしょう、返してください」
なんでそんな目するんですか。
「……ダメです。これは貴方の怪我が治るまで預かります」
白A殿は怪訝そうにしていた。
チクリと胸が痛む。嫌われたくない。でも、彼女がこれ以上手を怪我するのは嫌だ。
「そうですか。では治り次第伺いますね」
苛立ちを隠せない彼女は略礼をすると逃げるようにその場から去った。
本当なら部屋の近くまで送るつもりだったのに。
「……ダメですね」
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水溶液(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!少し話しがバラけて……最近、ようやく話の筋がまとまったのでこれからは今までよりも一生懸命頑張りますね！ (2016年8月7日 0時) (
レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 楽しく読まさせいていただいてます。更新頑張ってください (2016年8月6日 23時) (レス) id: 9f77e6e9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：水溶液 x他1人 | 作成日時：2016年7月28日 23時
