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*




翌朝、次期皇帝が発表された。

やはり、予想どおりおじ上だった。

もうこれで私達の立場はないかと思ったが、母上が私達を集めていう。


「私は紅徳天皇の妻に迎えられ、貴方達はこれからも正式な皇女としてここにいれますからね」


白々しいと思った。
信じたくもなかったが、やはりルフの記憶を見てみたら母上は黒だった。


「母上……ありがとうございます」


白瑛と同じく涙ながらに頭を下げる。


母上がその気なら、私も貴方を騙します。
裏切られた苦痛はきっと貴方は感じないでしょうけど……。

それでも、母上のいいようにだけはされたくない。


楽しかった、嬉しかった、その全部の記憶が嘘で。
大切に思っていたのに裏切られて。

……母上にこれ以上家族を葬られてたまるか。



「母上、私が紅炎殿……という訳にはいきませんが紅明か紅覇と婚約できませんか。
 母上がそのようなことをせずとも私が……」

「そうね……。でも、紅徳殿下がそれをお許しになるかは……」


昨日、紅炎と約束はした。

けれど、それだけじゃ不安だ。もっと……もっと何か……。
権力が欲しい。母上からこの子達を守れる。そしてこの国の政治に携われる。



「……そうですね」




************



その晩、私は服を着替えて武術の練習をした。
久しぶりにするが、腕はそんなに衰えてなくて安心した。


「白A殿」


名前を呼ばれ驚いた。
誰かに見られているなんて思ってもなかったから。

今はもう真夜中で人が寝静まっている頃なのに、どうしてこの人がこんなところに……?


「紅明殿」


手を組み頭を下げる。

その仕草を見て頭の上からため息が聞こえた。


「……顔を上げてください。貴方のそのよう姿はみたくないです」


声が辛そうに聞こえた。


「私は……いくら第一皇女と言えど、貴方の父上に救われてここにいる。
 いくら紅明殿にそういわれても、身分の違いはどうしようもないのです」


槍を再び握り締める。
血豆がその拍子につぶれ痛かった。

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水溶液(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!少し話しがバラけて……最近、ようやく話の筋がまとまったのでこれからは今までよりも一生懸命頑張りますね! (2016年8月7日 0時) (レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 楽しく読まさせいていただいてます。更新頑張ってください (2016年8月6日 23時) (レス) id: 9f77e6e9ef (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水溶液 x他1人 | 作成日時:2016年7月28日 23時

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