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穏やかな日差しの中、私は庭で稽古をしている兄上達を見ていた。
「やっぱり紅炎は強いなー」
肩で息をしながら両手を上げて降参する白蓮兄上。
まだ寒い冬なのに二人とも汗をかいて暑そうだ。
「いえ、お相手していただきありがとうございます」
「いいっていいって。俺が誘ったんだからな」
白蓮兄上がいう通り、この二人が稽古をしている理由は
紅炎殿が稽古をしている時に白蓮兄上が剣を持って乱入したからである。
「兄上、紅炎殿、お疲れ様です」
近寄って二人に汗拭き用の布を渡すと待っていたかのように白蓮兄上が顔を拭いた。
この寒い中での稽古で流れるほどの汗をかくのは、二人の稽古の激しさを物語っている。
にしても……。
「白蓮兄上。さすがに紅炎殿に負けるのはどうかと思いますよ!
白雄兄上が知ったらどうなるやら……」
白雄、という名を聞いて白蓮兄上は顔色を変えた。
それもそのはず、前々から紅炎殿と稽古をして負けている事は多く
この前も白雄兄上に『3歳も年下の紅炎に負けるなど、どういう事だ!』と言われて説教と激しい稽古をされていたからだ。
「た、頼む、兄上には言わないでくれ! な?白A? 後で兄上が甘味をくすねてきてやるから」
「くすねてきた甘味で喜ぶ歳でもありません!」
そうやっていつも白蓮兄上は私を子供扱いする……。
「紅炎殿、兄上と稽古をしてくれてありがとう」
「いえ、こちらこそ」
深々と頭を下げる紅炎にそんな事しなくてもいい、と話す。
たった1歳しか歳の違わない彼は私よりも身長が大きい。
私ももっと大きくなりたいな。
「白A、探しましたよ」
遠くの方から声が聞こえた。振り返って見るとそこにはいつもの従者を遣わした母上がいる。
あ、もうそんな時間か。
「すみません、今行きます!」
兄上達にもう頭を下げると、すぐに踵を返して母上の方へ走っていく。
今日は何を教えてくれるんだろう。
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水溶液(プロフ) - リンゴさん» ありがとうございます!少し話しがバラけて……最近、ようやく話の筋がまとまったのでこれからは今までよりも一生懸命頑張りますね! (2016年8月7日 0時) (レス) id: 286a4cd632 (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ(プロフ) - 楽しく読まさせいていただいてます。更新頑張ってください (2016年8月6日 23時) (レス) id: 9f77e6e9ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水溶液 x他1人 | 作成日時:2016年7月28日 23時