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畏れたら負け ページ45

ーーー

なんなの、この小娘…。

足音も気配すらしなかった!!

美しく揺れる白髪に狐の面…。

このガキを助けた。
コイツも鬼狩り。

まっすぐこちらに向かってくる。

「血鬼術 八重帯斬り」

さぁ、止まれないでしょ?

逃げ場の無い交叉の一撃。

アンタになんか止められないわよ。

さっさと消えてもらうわ!!

アタシは柱の方に行くから。


『立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花…』

「!?」

え……

気付くと、小娘がもうアタシの目の前にいた。

ま、間合いに入られている…ッ!?

『雪の呼吸…』

肺が凍りそうなほどの冷気がこの小娘から溢れている。

瞬時に距離を取り、帯を放つ。

そして何この匂い。

この小娘、普通の人間よりも美味そうな匂いがする。

!!!

この食欲が湧く匂い…間違いないわ!

コイツは稀血!!

なのに…
なぜあんなに近づいていることに気付けなかったの?

しかも、何か特殊な能力を持っている。

今まで感じたことがないような気配と…

あの滴る血…、

私の攻撃は全てかわしたのに

わざと腕に傷を付けたんだわ。

血液が辺り一面、冷気に変わって…?

そう…。

匂いを辺りに散らすことで、気配を隠したのね!!

…攻撃があたらない!!
ゆらりゆらりとかわされる!!

まるで、ひらひら舞う雪のように…

「死ねッ」

硬度が上っているはずなのに、
放った帯が次々と斬られる!!

コイツ…今まで殺してきた柱ほどではないけど、
相当な実力がある…!!

「このっ…!!」

いつの間にか、またアタシの間合いに…


『…参ノ型 淡雪霞』


あれ?

今何をされたの?

なんでアンタがアタシの後ろにいるのよ…


『……私を相手に考え事?…余裕あるね、おばさん』


「おばさんですって!?」

ぐるりと視界が回った。

頸を…斬られた!?

こんな弱そうな小娘に…!!?


『アナタは…私の、大切な友達を傷つけた。
許さない…!!』


「…っ」

静かでゆっくりとした口調に怒りの感情が込められている。

面から紅い瞳がこちらをのぞいているのが分かり、何故か背筋がゾクリとした。

体が思うように動かない…何をしたの!?

まさか、…怯えている?

このアタシが?こんな小娘を…怖がってる?

そんなわけない!!

アタシがこんなブサイクに負けるわけないんだから!!


『私を畏れたら、アナタの負け』

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作者名:りんらん | 作成日時:2020年9月29日 18時

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