悪戯 ページ18
今年の交流会は無事、東京校が勝利を収め終了した。
恵くんとはあれから微妙に距離を置いている。
何かを察してるのか彼も必要以上に話しかけて来なくなった。
そして、次に訪れる私にとって大事な行事。
それは、昇級試験。
昇級試験に合格して準1級になれば、悟くんにも褒めてもらえる。
それに、あの
やっと、同じレベルに立てる。
そして、私の方が悟くんのお嫁さんに相応しいって思って貰えたら…。
『焼肉最高!!』
『私はザギンでシースーが良かった!匂いが髪の毛についちゃうじゃ無い!』
『お前ら少しは黙って飯食えねぇのか』
「あ、私シャトーブリアン食べてみたい」
『いや〜連れて来て良かった〜』
今日、私達は五条先生のおごりで交流会の打ち上げをしている。
交流会からすでに2週間以上が経過してるけど、多忙な五条先生のスケジュールに合わせるとなると仕方ないことだった。
「五条先生、お肉焼けましたよ」
『僕はあとでいいよ。今日はみんなのお祝いだから』
『じゃ、俺が食べます』
私の向かいに座った恵くんが、タレが入ったお皿を差し出してくる。
私がそれにお肉を乗せると、誰かの足が私の足に当たった。
『あ、俺もそれ食いたい!』
「悠仁くんの分もあるよ」
私が悠仁くんの分のお肉を取ると、またツンと足に感じる衝撃。
あっと思った時には、既に太ももに手が置かれていた。
私の隣に座った五条先生を盗み見ると、私の方なんか気にすることも無く、恵くんや悠仁くんと会話をしていた。
私が彼の手を払うようにゆっくり静かに手を重ねれば、するりとその指を絡め取られる。
こんなところ見られたら、と焦る気持ちとは裏腹に程よい緊張感にドキドキしてこの状況を楽しみたい自分がいる。
テーブルの下で密かに行われてる行為に彼らは気づいていない。
この背徳感がさらに私の気持ちを高揚させる。
『A、あんたはどうなのよ?』
「え、何が?」
『はぁ?人の話ちゃんと聞いてなさいよ』
「ごめんね」
急に野薔薇に話を振られて、正直言って全然聞いてなかった私は適当な笑顔で誤魔化した。
『彼氏よ、彼氏。欲しいとか思わないわけ?』
「う〜ん、彼氏かぁ」
『僕も気になるなぁ、いるの?彼氏』
悟くんは繋いだ手をギュッと握り直して意地悪く、口角を上げて笑ってみせた。
299人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みりん(プロフ) - ぴさん» コメントありがとうございます!少しずつですが更新頑張りますのでこれからもよろしくお願いします! (10月8日 12時) (レス) id: 2cc8f9020a (このIDを非表示/違反報告)
ぴ(プロフ) - 更新楽しみにしてます( ; ; ) (9月1日 23時) (レス) id: efd535f18d (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - りのさん» はじめまして、りのさん!こちらこそご愛読頂きありがとうございます!不定期な更新ですが、引き続き楽しんで貰えたら嬉しいです! (6月1日 23時) (レス) id: 0db1b6b410 (このIDを非表示/違反報告)
りの(プロフ) - はじめまして!素敵な作品ありがとうございますっ!更新が楽しみですー!みりんさんのペースで更新頑張ってくださいねっ応援してます!!! (6月1日 1時) (レス) id: 9e437dd1e0 (このIDを非表示/違反報告)
みりん(プロフ) - ああさん» ありがとうございます!曲を知ってる方にも喜んで貰えてて嬉しいです!これからも楽しんで貰えたら幸いです! (5月25日 15時) (レス) id: 76f1e1d2b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みりん | 作成日時:2022年12月16日 8時