第29話 ページ30
Aside
なかなか当たらない的に悩み、何がいけないのか考える。
腕の力は少しだけ付いてきたがまだまだだ。それは分かってる。
他に改善できる点はなんだろう。
そう考えていると治くんが声をかけてきた。
「A、終わりだって。戻ろう。」
どうやら終わりらしい。
でも、もう少し練習したい。
治くんは、銃になれて、的にも当たるようになってきてる。
それに比べ一向に上達しない自分に少し焦りがあった。
『...うんん。ごめんね、少しだけ練習したい。...全然当たらないから...』
そう言って眉を下げる。
それを聞いた治くんは私の持ってる銃と的をみる。
『治くんは先に戻っててもいいよ?』
帰る気配のない治くんに声をかける。
すると予想外の言葉が帰ってきた。
「うんん。Aが終わるまでいる。だから僕が少しだけコツを教えてあげる。」
『えっ、いいの?』
「うん。いいよ。」
治くんはそう言い、さっきまで使ってた銃を取り出し、的に向ける。
「無駄に力をいれちゃダメだ。正確に的を狙ってみて。」
パンッという音と共に、的に命中し、穴が空いた。
治くんの真似をしながらかまえる。
「ストップ、そのまま...」
そう言われ動かないでいると後ろから腕を回された。
銃を持ってる手を支えられる。
「うん。...いいよ。」
耳元で声がした。
ピクリと反応してしまったが、こちらに集中しないと...
「...パンッ!......」
さっきよりも振動が余りなく、ぱっと的をみる。
『...あたった...。...あたった!...やった!
ありがと!治くん!あたったよ!』
そう。当たっていた。
ど真ん中とはいかないが的にちゃんと当たっていた。
「ん。...当たったね 。その調子だよ」
そういい喜ぶ私の頭を撫でる。
そこから数時間練習し。1人でもほとんど当たるようになってきた。
時計を見るともう10時を指していた。
そんなにも練習してたんだ。
私は持ってる銃を仕舞い、本を読んでる治くんに声をかける。
『治くんごめん、こんな時間まで...終わったから戻ろう?』
「うん。そうだね、今日はお疲れ様。」
よしよしと撫でてくれて頬が緩む。
「じゃぁ戻ろうか。」
治くんに手を繋がれそのまま部屋まで戻った。
もう、外は暗くなり、普通は静かなはずの廊下も人通りは多かった。
夜はマフィアの時間。森さんから最初に言われた事。
私ももう少し大きくなったら夜、動いたりするのだろうか...。
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氷翠(プロフ) - ゆんゆんさん» ありがとうございます!!はい!ちょっと今忙しくて、、余裕が出来たら更新します!気に入って頂けて嬉しいです!! (2019年7月8日 18時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん(プロフ) - 好きです!!ゆっくりでいいので頑張ってください! (2019年7月8日 14時) (レス) id: 924108a693 (このIDを非表示/違反報告)
氷翠(プロフ) - 美雲さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年7月7日 21時) (レス) id: 20ceb8a33c (このIDを非表示/違反報告)
美雲 - 続き楽しみにしてます。頑張ってください。 (2019年7月7日 20時) (レス) id: 0e776977f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷翠 | 作成日時:2019年7月3日 21時