検索窓
今日:18 hit、昨日:21 hit、合計:115,432 hit

第五章 ページ5

シャワールームから戻ってきた私にかけられた総統さんの言葉。
せんと……えぇ……内政……ううん?
前までの質問との関連が全く分からない。


『戦闘……は無理ですけど、内政?は数か国の言語が読み書きできる程度……』
「十分だな」


何故か心底楽しそうな笑顔を見せる総統さん。
治療してくれた男の人も少し困ったように笑っている。
おそらく総統さんの考えがわかるんでしょう。


何もわからないままの私はただ阿保みたいな声を出しながら頭に?を浮かべるばかり。


「ロボロ、幹部たちを会議室に集めろ。十分以内だ」


そんな私を完全に置いていく総統さん。
方耳に手を当てて誰かの名前らしき言葉を口にする。
そして、ニヤリと私の方を見て笑い……


「新人の歓迎パーティーだ」


楽しい雰囲気を連想させるはずのその単語が今は何故かとっても物騒に聞こえた。


。・*・。・*・。・*・。・*・。・*・。・*・。


総統さんは十分以内に会議室に集まれと言っていたけど、どうやら私が守れそうにない。
すでに二十分経ってしまっている。


『すみません、できるだけ速く歩きます……』


申し訳なく思い、なんとかスピードを上げようとする。
しかし、それを総統さんが軽く大丈夫だ、と歩く速度を私に合わせてくれた。
ちょっと怖い人だけど優しい人だな。


「どうせ時間道理に集まらないのもいるしね〜」


私に手を貸してくれている軍医の人が笑顔を向けながら言葉を重ねる。
え、総統さんの命令なのにいいんですか?


ちらりと総統さんの様子を窺ってみると本当に気にしていない様子。
きっと幹部の人たちととっても仲がいいんだろう。


私の知る国、軍とはまるで違う。
わがままな王様もいない。
権力を奪い合う醜い人もいない。


なんて綺麗な国なんだろうと、
私はまだ見ぬこの国をそう思ったのだ。


「着いたゾ」
『…………!!』


綺麗な模様が彫られた扉。
総統さんがその前に立つと、途端に緊張と恐怖が重圧と共に押し寄せてきた。

第六章→←第四章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (69 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
189人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

リノ(プロフ) - 本田大和さん、ありがとうございます!様!?私の妄想に共感して下って嬉しい限りですー!! (2017年9月3日 17時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - きゃあああーーーっ!!リノ様の文章力で妄想が止まりませんww これから誰と絡んでいくのか楽しみで仕方がありません(*゚∀゚)b (2017年9月3日 10時) (レス) id: ed9a366666 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 夏海さん、ありがとうございます!嬉しいですー!私自身、最初読み間違えたんですよ(笑)、 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 話のテンポがすごく好きです。そして「ボロボロさん」には草を禁じ得ない笑 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 8f3bd46b36 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - リホさん、ありがとうございます!ありがちな話ですけど楽しんでいただければ幸いです! (2017年8月29日 10時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リノ | 作成日時:2017年8月21日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。