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第三十四章 ページ34

壁から突き出たナイフや張り巡らされた糸を慎重に避けながら私は出口を探す。
見えると言ってもそこまではっきりとではないため、安心はできない。
そうして進んでいくと少し高い位置に換気口を見つけた。


……微妙に届かない高さだったので台使ってよじ登る。
格子を外して中に入ってみると微かに風を感じた。
外にはつながっているのでとりあえず安心。


服は汚れちゃうけど匍匐(ほふく)前進で進む。
明かりが見え、敵の姿を確認……いないみたい。
格子は長い間放置されていたのか錆びていてすぐに外せた。
ちょっと飛び降りる感じで無事に外。しかも丁度私達がいた部屋の前辺りだ。


『あとは鍵……』


南京錠タイプの鍵。敵が持って行ってるんだろうけど……関係ない。
私は腰につけていたポーチから銃を取り出す。
グルッペンから護身用にと渡された、マグナム。
小さめだけど威力は十分。音は仕方ないから早く開けて逃げよう。
鍵に銃口を向けて……反動と音を伴って鍵が壊れる。


扉を開けるとシッマが座っていた。驚きと安心が混ざった表情。
そして扉の前のバリケードを見て、驚愕の表情になった。


『結構音響いちゃったから早く行こう』

「お、おう。そやな!」


ハイスペックやなぁ……と呟くシッマの後をついて走る。
残り時間はあと五分。





「ギリギリやな!」

『奇跡的に敵に会わなかったね……』

「あと三十秒とかホンマに危なかったわ」


お互いに疲労が見える。あぁ、早く終わらせて帰りたい。
失敗はしてないから怒られない……よね?


「コネシマ、Aちゃん、聞こえる?あと十秒」

「『了解』」


私は出入り口で待機、シッマはボタンを押す役割。心の中でカウントして……
私がカウントし終えるよりも少し早くシッマがボタンを押した。
遠くで鳴り響く、緊張感を与える音。


「よっしゃ、任務終わりや!」


そう言いながら走ってくるシッマに笑顔を返すと、いきなり抱き上げられる。
しかも横抱き。


「今回はAに助けられたわ。ありがとな!」


恥ずかしくて抵抗しようと思ったが、シッマの笑顔を見ると許してしまえた。
私はシッマの純粋なところに弱いのかもしれない。


『こちらこそ!』




私達の働きが関係したのかはわからないけど、戦争には勝利した。
城に帰った途端ロボロに抱きしめられ、無事でよかった!と言われたけどそんなに心配してくれてたのか……。


そんなロボロが可愛くて抱きしめ返すとトントンに怒られた。

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リノ(プロフ) - 本田大和さん、ありがとうございます!様!?私の妄想に共感して下って嬉しい限りですー!! (2017年9月3日 17時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
本田大和(プロフ) - きゃあああーーーっ!!リノ様の文章力で妄想が止まりませんww これから誰と絡んでいくのか楽しみで仕方がありません(*゚∀゚)b (2017年9月3日 10時) (レス) id: ed9a366666 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - 夏海さん、ありがとうございます!嬉しいですー!私自身、最初読み間違えたんですよ(笑)、 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)
夏海(プロフ) - 話のテンポがすごく好きです。そして「ボロボロさん」には草を禁じ得ない笑 (2017年8月30日 23時) (レス) id: 8f3bd46b36 (このIDを非表示/違反報告)
リノ(プロフ) - リホさん、ありがとうございます!ありがちな話ですけど楽しんでいただければ幸いです! (2017年8月29日 10時) (レス) id: 02182e081c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リノ | 作成日時:2017年8月21日 13時

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