嫌よ嫌よも好きのうち【白布賢二郎】

２話：名字おかしい ページ3

「おかしくない？なんでお前と隣なの」

「しょうがないだろ、名字の関係」

新しいクラスになって早々なんてことだ。



私は小鳥遊。こいつは白布。『た』と『し』が隣になるとかほとんどないよね？
日本でトップ10には入っているであろう『鈴木』『佐藤』『高橋』が一人もいないし。

なんなの、ホントに。



「・・・今から改名しようかな・・・ほら佐藤とか」

「・・・・」

「え、無視はひどくない？Aちゃん悲しいんだけど」

急に無表情になった。いやいつも無表情だけど。
何か気に障ることしたかな。


心配になって顔をのぞき込む。

綺麗な鼻筋、二重の目、相変わらず顔整ってるなあ。
なんて、のんきに考えていた。


「そんなに俺が嫌かよ・・・」

突然聞こえてきた低い声に思わずドキッとする。
ふと真剣な顔をした白布と目が合う。

「お前と一緒じゃないと・・・」


どうしても逸らすことが出来ない。









・・・・・・手で頭を押さえつけられているから。


さっきまでの真剣な目はどこへやら、いつものけだるげなものに戻っている。

そして私をあざ笑いながら

「いじり倒せないだろ？」
といってきた。


こいつ、私が小さいことをいいことに腕1つで押さえつけて煽ってくる。


「このっずるい！ちょっと背が高いからって調子のんな！」

暴れて白布の手から逃れ、なんでもいいからやり返したくなった。
だから逃げる白布を全速力追いかけ回した。

ここが廊下だってことも忘れて、思いっきり背中に飛び乗った。

「うおっ」と失礼な声を上げて白布の体勢が崩れる。
そんなことお構いなしに髪ぐしゃぐしゃにしたり動きまくったりと好き放題してやった。





楽しかったです。

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