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第十六話：倖せな夢 ページ18
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夢の中に貴方が居た。
現実みたいにリアルで、
貴方と触れ合って、笑い合って。
何時ものようにおんぶをしてもらって。
何時ものように抱きしめてもらって。
とてもとても倖せだった。
でもそれは、結局「夢」でしかなくて、
霧のようにゆらゆらと消えた。
嗚呼、愛しい父よ。
如何して貴方が、死ななければいけなかったの。
貴方が死んでいなければ、
私は孤児にはならなかった。
貴方が死んでいなければ、
私はあんな処に連れて行かれなかった。
嗚呼、愛しい人よ。
如何して貴方が。
如何して貴方が。
消えていく父に手を伸ばしたとき。
私の手と貴方は消えてしまった。
そして、目が覚めた。
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作者名：椿 | 作成日時：2024年4月16日 20時
