不良未満【あほの坂田】

からおけとかれ。 ページ17

｢なあなあ、Aは何歌う？｣

場所は変わってここは学校の最寄り駅近くのカラオケ。テストの打ち上げという名目でやってきた。

｢俺不良やし〜？頑張ったから早退してもええやろ〜！｣
なんて言い始めた坂田くんを止めて終礼だけでも出席させるのは本当に大変だった…なぜ終礼も待ちきれないのか。


幼児か。

まあそんな戦いも超えやってきたカラオケ。やたらと坂田くんは自信満々だったので一発目は坂田くんにお願いした。

めちゃめちゃ上手かった。無駄に上手い。軽音部でも入ってボーカルでもやればいいのに。

｢坂田くん上手いから後で歌うの嫌だな…｣
｢なんでや！Aの言う通り先に歌っただけやんけ！｣
｢こんなに上手いなんて思ってなかったよ…｣

うー…このまま時間だけが無駄にすぎてしまうのだろうか…

｢じゃあデュエットや！｣
｢え？｣
｢一緒に歌えばいいやろ！はい！｣

あまりにも坂田くんが笑顔でマイクを差し出してきたので思わずそれを受け取ってしまった。


｢まさかAの十八番が津軽海峡冬景色とは｣
｢忘れてください…｣






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