零さん、あなたって人は…… (ページ22)

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革命3 ページ22

暗い会場に紅月のユニットカラーである赤色のライトが灯される

観客のキャーと言う声に高揚する

ステージに一筋の白いライトが灯ると、和服衣装の紅月が登壇する。貫禄のある勇ましい姿に、観客の興奮は最高潮に達した

伝統を重んじる一風変わったアイドルグループ。それが紅月というアイドルだ

リーダーの蓮巳敬人は同じクラスで、生徒会副会長。いつも真面目なだけあって挨拶も堅苦しい。でも、ファンにはそれが嬉しいのだろう。ダンスや歌も丁寧で、とても引き込まれる

大きな体の鬼龍紅郎は隣のクラスの強面さん。怖そうな顔して、優しくて家庭的な所にギャップがある。和服の似合う、男らしいパフォーマンスが魅力だ

2年生の神崎颯馬は2人に引けを取らない歌唱力がある。いつも帯刀してる刀を使ったパフォーマンスはお客さんに喜ばれる。とてもパワフルで、若大将って感じに惹かれる

舞台袖からその様子を伺いながら、私は準備運動をしていた

いつもの私ならとてもじゃないけど、緊張して震えていただろう。

でも、今はプロデューサー、零さん、巽兄さん……たくさんの人が私を信じてくれているから怖くない

転校生さんが用意してくれたドレス風衣装に身を包み、メイクもバッチリ決まっている

観客席から大きな声援が鳴り響く

紅月のパフォーマンスが終了した合図だ
1度幕がおり、自分のステージの準備が始まる

『じゃ、やりますか！』

先程まで赤に染まっていた会場が、真っ白に染まっていく

ステージの真ん中には真っ白のグランドピアノがあり、それを照らすように薄紫の光が差し込んだ

白いライトで薄紫のライトがキラキラ光り輝き、宝石のアメジストのように透明感のある会場が出来上がる

照らされたピアノの前に登壇すると、お客さんの歓声が聞こえてきた

お客さんの歓声が静かになるまで待ち、ピアノ椅子に腰掛ける

ライブとは思えないほど静まり返った会場が少し怖い。

でも最初の1曲目は弾き語り………
歓声はいらない。ただ、静かに私の音を聞いて欲しい。

私の持てる全力を出し切るから……