千秋さん！私、アイドル嫌いなんで！ (ページ9)

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斎宮:｢誰だね？｣

『あ、ごめんなさい。人がいたのね……』

斎宮:｢見ない顔だね……小娘、名前は？｣

『は？名乗る必要あるの？人に聞く前にそっちが名乗ったら？』

｢生意気だね！僕を知らない君もどうかと思うけど……まあいい。生意気だけど面白いね。用がないなら出ていきたまえ｣

まったく、この学校には失礼なやつしかいないわけ？私も人のこと言えないけど……

外に出ると、ふわっとメロンパンの香りがした

三毛縞:｢おっと、小さなお嬢さん。パンをひとつどうだ？120円で｣

『買います……』

｢うんうん。ママに任せなさい！｣

何言ってんのこの人………

『ありがとうございます…』

メロンパンを買って、再び校舎に入る。
3年A組に戻ると、誰もいなくて、誰にも顔を見られずメロンパンを食べるにはちょうど良かった

1人は慣れている。寂しくなんてない。
なのに、1人でこそこそ食べるメロンパンは美味しくなかった

ガタン！！

急に扉が開いて、私の両目がドアの前の男を捉える

しまった。と思ったけどもう遅い目が合った彼は顔を真っ青にして近づいてくる

守沢:｢お前………その痣はいったいどうしたんだ？｣

『っ、なんでもないないっ！！』

最悪！まさか見られるなんて……

急いで右手で痣を隠そうとすると、ガッチリと、千秋さんの手で、腕を掴まれてしまう

そのまま顔を近づけて私の痣を覗き込む

怖くなって俯くと、頭上からとても優しい声が聞こえてきた

｢気付いてやれなくてすまない。もう大丈夫だ｣

その優しい声を聞いたら、我慢していたはずの涙が滝のように溢れ出した

『っうぅ…』

涙を拭う衣擦れの音と、喘ぎ声と嗚咽の音が教室に響く

千秋さんは、私の横に腰掛けて、泣き止むまで背中をさすってくれた

いつもなら、ウザイ！とか、セクハラ！とか言って人と関わらないようにしてるけど、

1度弱い所を見せてしまったら、涙が止まらない。千秋さんの背中をさする暖かい手にいつまでも触れて欲しいと思ってしまった

しばらくすると、千秋さんが｢何があったのか教えて欲しい｣と言うので、話すことにした

家庭のことを……悩みを……全て打ち明けた

話している時、千秋さんはじっと話しを聞いてくれた

｢よく頑張ったな……」

聞き終わると、優しい声で私をてくれた。

人に優しくされるのは久しぶりで、また涙が出てきた