9:不甲斐なさ ページ11
「なぁ天祥院、最近Aが登校してこないが、何か知ってたりしないか?」
天祥院:「何も知らないよ。彼女は人とあまり関わらないからね」
「そうか……」
天祥院:「そんなに心配なのかい?」
「うむ……心配だ。何かあったらと思うと……」
天祥院:「ふふっ珍しいね。彼女はとっつきにくいから、誰も近づかないのに………君は彼女を気に入っているんだね。千秋」
「…………なっ///変な事言うな!」
天祥院:「顔が真っ赤だよ?」
Aが来なくなって2週間後、Aは何も無かったかのように登校してきた
「A!無事だったか!良かった〜!!」
『は?ウザっ、こっち来ないで!』
「なっ、冷めたいな…ていうか本当に平気なのか?」
『なんの話し?気持ち悪いからこっち来ないで!』
久しぶりに登校して来たAは転校初日と変わらないくらい毒舌だった
だから、Aは元気なんだと勝手に決めつけた
次の日のニュースを見て、俺は俺を恨んだ
「〈速報ニュース〉です。人気トップアイドル、芥川優人容疑者と妻でアイドルの芥川優花容疑者が昨晩、殺人未遂で逮捕されました。
芥川容疑者らは、娘の蘭 Aさんを刃物で刺して殺そうとしたと容疑を認めているそうで、
Aさんは現在、意識不明の重体です。警察は日常的にDVがあったとみて捜査を進めています」
俺は青ざめた。殺人未遂……意識不明の重体。
いつもなら他人事のような事件も、今回ばかりは他人事とはいかない
学校に行くと、どこもかしこもAの話題で持ち切りだった
天祥院:「まさか彼女が芥川さんの娘だったなんてね」
蓮巳:「日常的にDVがあったようには見えなかったが……」
瀬名:「親が悪いと性格も悪くなっちゃうのかね〜」
羽風:「芥川さん尊敬してたのにな〜。セクシーな優花さんとロックな優人さんがDVするなんて。千秋君もそう思うでしょ?」
「俺は……」
言葉が出てこなかった。ここにいるみんなはAのことを知らなかったからいいけれど、俺はAがDVされていると知っていて助けられなかった
その不甲斐なさが悔しくて苦しくて、教室を飛び出して保健室へ向かった
佐賀美:「おっ、どうした守沢?ノックくらいしろよ〜ただでさえ蘭のことで忙しいのに……」
「佐賀美先生!Aのいる病院を教えてください
!」
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コフウ - 面白かったです! (2021年3月10日 21時) (レス) id: 16a5bce890 (このIDを非表示/違反報告)
碧生 - 凄い面白かったです!これからも応援してますー (2021年2月23日 17時) (レス) id: 7ffc4172b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クテシフォンらるるん x他1人 | 作成日時:2021年2月23日 8時