【黒執事】女王陛下の意のままに (ページ24)

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23.執事ページ24

ハァ、ハッ

「一体何がどうなってんだよ」

「酷い…」

ハァ

「まさかこんなことになるなんてね…」

「……」

ハァッハァ、ハッ

「ぼっ…坊ち"ゃんに"っなんてお伝えすれば…ッ」

「…あっ」

「坊っ…

ちゃん」

駆けつけたシエルに使用人達が肩を揺らす。

「------セバ、ス、チャ…ン？」

彼が見たものはあまりにも残酷だった。

胸を一突き。

灰かき棒がセバスチャンを貫いていた。

「----だっだめですだ！！坊ちゃんは入っちゃいけねぇですだ！！」

メイリンがこんなセバスチャンをシエルに見せまいとする。

「離せッ！！！」

「だめです坊ちゃんっ！」

暴れるシエルにフィニまでメイリンの手伝いをしようとした。

「下がれッ！！主人の僕に命令するな！！」

「坊ちゃんっ…！」

「…ッ」

そんな二人の手を振り払い、シエルはセバスチャンに近づいて行った。

赤い液体を踏んでぴしゃ…と音がする。

「セバスチャン、いつまで遊んでいる。床がそんなに寝ごこちがいいとは思えんがな。いつまで狸寝入りを決め込むつもりだ？」

返事をしないセバスチャン。

「坊ちゃん」

セバスチャンに声をかけるシエルにバルドが静か言った。

そんな言葉も聞こえないかのように、シエルはセバスチャンの脇腹当たりに足を置く。

「聞こえないのかセバスチャン。起きろと言ってるんだ」

何度呼んでもそのままのセバスチャンにシエルは奥歯を噛み締めた。

「この…」

セバスチャンに刺さっていた灰かき棒に手をかけると、一気にそれをセバスチャンから引き抜く。

「伯爵っ…」

シエルはアーサーの声など気にも止めずにその灰かき棒を投げ捨て、セバスチャンの胸ぐらを掴んだ。