97,合理主義者 ページ5
黒裂の所属する女子サッカークラブチームのコーチを務める男、___は無駄なことが嫌いだった。所謂、"合理主義者"である
彼は回数よりも効率を求めた
彼は時間が有限であることを知っていた
彼は夢より現実を求めた
彼は必要と無駄を決めつけた
彼にとってサッカーとはゲームであり娯楽。それ以外に強い感情は無かった
彼は少年時代、司令塔としてMFのポジションにいた。瞬時に相手の攻撃を理解し、"最低限"の動きでチームが勝てるように頭を回転させて。そんなスマートな彼は、そのままコーチへと就任したのだ
彼は何事も結果が良ければいいのである
そしてふと思った。無駄に動かなくても、11人いるのだから分担すれば良いのでは
思い立ったが吉兆。彼は黒裂らメンバーにこう言った
「良いですか。フィールドの真ん中、このセンターラインは境界線です。攻撃と防御の境目。攻撃陣は何があってもここにいなさい、攻め込まれても戻る必要はありません
守備陣はこの線を越えてはいけません。守りに徹し、攻め込んでくる敵を翻弄し、ボールを奪い前線に送るのです
"役割分担"。11人いるのだから、1人1人が守れば無駄など無いのです」
FWやMFは常に前線。そちらにボールがある時以外はほぼ棒立ち。守備陣が前線にボールを持ってくるのを待つのである
確かに、現実的で効率的だった
相手とぶつかり合ったり、ボールに奪い合ったり、そんな動きは全て決められた人物が行うこと。サッカーをすることで感じる熱い思いも、感じることなど少なかった
黒裂はロングシュートの腕を買われ、カウンター係り。DFが突破されたとき、相手から放たれたシュートを止め、打ち返す。このプレーは皆と同じように固定で、逆にそれ以外したことなかった
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←96,心臓
135人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ沿い」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずの - 続き待ってます! (2022年1月5日 18時) (レス) id: 4d6d0d7ca3 (このIDを非表示/違反報告)
きざみん - 続きを楽しみにしてます!頑張ってください (2021年11月3日 17時) (レス) @page5 id: 9835f2cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!更新頑張ってください (2020年12月30日 2時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - 読ませてもらっています。いつ読み返しても、飽きないような内容で好きです。更新の方、大丈夫ですか? (2019年7月25日 1時) (レス) id: 38746543b6 (このIDを非表示/違反報告)
彾 - 最近、更新してませんが大丈夫ですか? (2019年7月17日 21時) (レス) id: fc81fb2ba3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:良子(ラッコ)* | 作成日時:2019年5月26日 12時