96,心臓 ページ4
双方の力強い蹴りと、それを具現化した2色のペンギンが、DFを突き破りゴールへと向かう
背番号1番、相手GKのアレクは、桃色の髪を振り上げて構える
すうっと空気に溶けるような笑みで、両手をしならせる。その繊細な指から、全身を包む螺旋状に渦巻いたピアノのオーラが美しかった
「"忘却のソナタ"!!」
"ソナタ"とはイタリア語で"演奏されるもの"、簡単に言えば"楽器を使った演奏"という意味だ
彼が奏でる旋律に合わせて、ピアノのオーラは"ペンギン・ザ・ゴッド&デビル"に絡みつく。しかし、力ではペンギンの方が勝っていた
「くっ・・・1オクターブ高い・・・!」
今大会屈指の名言を残し、アレクは倒れた。それは、ゴールを決め、同点に追いついたことを表す。灰崎はそんな様子をニヤリと笑った。野坂、吉良の下へ併走すると手の甲を叩き、もぎ取った1点を密かに喜ぶ
「君は…黒裂さん、だったよね?」
ポジションへと戻る途中、野坂の目に1人映った。彼が尋ねると、黒裂は驚きながらも頷く
『どうかされましたか?』
先程華麗にアシストを決めた彼の顔は、生気は無いが美しい。そんな彼に対してリア充の怒りこそ起こしたものの、関わりも無いのに何用かと考えた
「どうして動かない…いや、動けないのかな?」
ドキリ、激しい慟哭が彼女を襲う
「君は風丸さんや吹雪さんと練習したんだろう」
何故知っているのか、喉から出かけの言葉が上手く吐けない
『わかるんですか…?』
「それは君の改善しなければならない部分のことかな?」
だったら答えはYesさ。後に続いた言葉が恐ろしく、そして恥ずかしかった。腹の痛みで多少のパワーダウンはあるかもしれない。でも根本的な問題なのだ
「君に足りないのは"攻めの心"さ」
夜の、あの時の風丸と同じ口の動きで、同じ事を言った
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みずの - 続き待ってます! (2022年1月5日 18時) (レス) id: 4d6d0d7ca3 (このIDを非表示/違反報告)
きざみん - 続きを楽しみにしてます!頑張ってください (2021年11月3日 17時) (レス) @page5 id: 9835f2cbf2 (このIDを非表示/違反報告)
こころ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!更新頑張ってください (2020年12月30日 2時) (レス) id: eb962bcdd2 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - 読ませてもらっています。いつ読み返しても、飽きないような内容で好きです。更新の方、大丈夫ですか? (2019年7月25日 1時) (レス) id: 38746543b6 (このIDを非表示/違反報告)
彾 - 最近、更新してませんが大丈夫ですか? (2019年7月17日 21時) (レス) id: fc81fb2ba3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:良子(ラッコ)* | 作成日時:2019年5月26日 12時