93，おめでとう、でも許さない ページ49
【今日の日本!何か冷静さを欠いているように感じるぞ──!】
実況者の言葉に、全員の心臓がドクリと音を立てる。嫌な汗が流れた
いつの間にか前半は終わっていた。日本陣のベンチに笑顔は一切ない。絞り出すようにドリンクを飲みながら、汗を拭き、靴紐を結ぶ。実にスマートである。どこぞのガンマさんが懐かしい
「お疲れ様！…その、惜しかったね」
坂野上はドリンク片手に黒裂へと話しかける。『ありがとう』、返事こそしたものの、彼女の様子は暗かった
『どうしても、ボールが取れないの』
フィールドを横目に言った。アドバイスではないが、何か小さなことでも良いから知りたかった
「うーん、俺"リベロ"だからなぁ…」
「監督!オレを試合に出してくれよ!」
剛陣が吠えた。この言葉には、純粋に試合に出たいという気持ちと"3年生"として支えてやりたいという願いが込められていた
「アナタは日本の秘密兵器…まだ出すのは早いと思うんデス」
機嫌をとりたいのか、ブリブリと体を揺らしてはぐらかす彼に剛陣は苛立つ
「やめとけよ…」
監督には何か考えがあるんだよ。慰めか、本心か。よくわからないが優しさに溢れているのは確かだ。しかし剛陣は未だ納得できず、「けどよぉ」と口を尖らせる
「──僕も同感です」
静かな声に皆が振り返った
「剛陣先輩が出るのはまだ早い…あの程度の雑魚に、先輩の"ファイアレモネード"を使う必要はありませんよ」
一瞬時が止まった。「おお…野坂!?」という剛陣の叫びで、全員が動き出し、復帰の笑みを浮かべる
野坂悠馬である。何故前半終わってからフィールドに立ったのかというと、ゆっくり着替えていたから。それ以外に言い様がない。少なくともスマートでは無かったな
「野坂さん…お帰りなさい…!」
「やあ、西蔭」
喜色に染まった西蔭は、野坂へと歩み寄る。仲の良かった先輩が離れてしまった、そんな寂しさが黒裂にはあった
「で、身体はもう良いのかよ。野坂?」
「試合前の検査がギリギリになってしまって…」
「試合に出られるのか…!」
灰崎の問いかけに野坂は「ああ」と肯定する。皇帝だけに。皆嬉しそうな顔をした。ただ、一星は、一星だけは野坂をキッチリと睨み付けている
神門が、キャプテンマークを受け取り、野坂へ歩み寄る
「はい─!」
「ありがとう」
やや顔を赤らめて手渡す神門に、優しく微笑みかけて受け取る野坂
そのとき、後ろで絶叫が走った
ーーーーーー
続編行ってもいいですかね?
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Setsuki.(プロフ) - 良子(ラッコ)*さん» なんか、1年生なので童顔を意識したら小学生くらいになってしまいました笑 応援、ありがとうございます！なんか勝手にふざけたの描いてごめんなさい汗(リア充見た時の顔とか…←)私も、良子さんのこと応援してます！頑張ってください！ (2019年5月16日 20時) (
レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
良子(ラッコ)*(プロフ) - Setsuki.さん» ありがとうございます！細身の綺麗な雰囲気で書いて下さって、線とか、画力の高さが目にしみます･･･。何気にイラスト書いて貰ったの初めてで、こうも嬉しいものなのかと目頭が熱くなっています。Setsukiさんも絵師としても、執筆者としても、応援しますので頑張って! (2019年5月16日 18時) (レス) id: 8f91876c31 (このIDを非表示/違反報告)
Setsuki.(プロフ) - 白黒で申し訳ないです。ごめんなさい (2019年5月15日 22時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Setsuki.(プロフ) - http://uranai.nosv.org/img/user/data/b/4/7/b47f19bd8787bd22a00ed67eeed75d36.jpg.jpg (2019年5月15日 22時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
Setsuki.(プロフ) - 良子さんどうも！大変遅くなりましたが、この小説の黒裂ちゃんが完成しましたので報告しに参りました！URLはここに載せておきますね！ (2019年5月15日 22時) (レス) id: 77812d9344 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：良子(ラッコ)* x他1人 | 作成日時：2018年12月8日 23時
