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やさしさシンドローム【五条悟.高専】 ページ3

人並みには健康や体調に気を使ってきたはずだった。


昨日の通り雨、軽く見すぎていた。

やっぱり雨なんて大嫌い、今も降ってる。


熱なんて出すものじゃない、退屈で頭も痛いんだから。


眠いけど寝れない。


胃が空っぽなのに何も食べたくない。



反転術式で治せないのかな。


私の退屈で平穏じみた考えは、勢いよく開かれた扉によって吹き飛ばされた。


起き上がる気力も見ようとする体力もない。

ただ頭がふわふわする。




「お前熱出たんだろ、だっせ」


虚ろな視界に映るのは、かなり腰を曲げた白髪の男性だった。

それが誰か分かるけど、脳はうまく働かない。


「げとう?」



「俺五条だし、ほら」


サングラスとマスクの不審者こと、五条悟は私にコンビニ袋を差し出す。


中にはスポーツドリンクとゼリーやプリンが入っていた。


全部甘そうで自分が好きなものじゃないの、ってくらい。


だけど凄く嬉しくて、起き上がってお礼を言う。



「ねえ、これ五条が買ったんでしょ」



「硝子が渡しに行けって、俺買ってねぇよ」



「嘘だ、分かるよ」



このぶどうのゼリー、よく五条が買ってるものだから。


私には分かるよ、耳赤いの。



「お見通しかよ」


そう言った途端に頭がぐいっと近付けられた。

サングラス越しじゃない、青い瞳と火傷しそうな額の体温。



長い睫毛、遠慮してよ眼球に入りそう。



「温いじゃん、お前熱なんて嘘だろ」



そう言って離れる。


マスクで隔てていた唇の位置、熱い。

それに私が温いなんて嘘、悟が熱すぎるだけだよ。



「傑、お粥作ってるから、じゃあな」



それだけ伝えて飛び出していく五条。


ほんと、恋愛下手だ、私も五条も。



「ずるいよ…」

秒針を折らせて【五条悟】→←後からいちばんめ【伏黒恵】



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阿津(プロフ) - はじめまして!こちらの作品読ませていただきました!!なんというか、とても素敵でした。言葉一つ一つが心に刺さってくるような感じがとても好きです。上手く伝えられなくてすみません…( ; ; )これからも頑張ってください!応援しています:) (2020年10月16日 10時) (レス) id: 510d3e29ad (このIDを非表示/違反報告)
ぽりすめん(プロフ) - rukiさん» はじめましてrukiさん!評価のことなのですが夢短編集気に入って貰えたらそれで良しのスタンスで行こう、と思えたので評価機能はオフにしました、まあ評価が怖いだけなんですが…コメントありがとうございます、体調に気を付けてしっかり夜寝てくださいね! (2020年4月26日 23時) (レス) id: 46d4b25c7d (このIDを非表示/違反報告)
ruki(プロフ) - はじめまして!!気になったのですが、評価が出来ないようになっているのは故意ですか?気になって夜しか眠れません← (2020年4月26日 22時) (レス) id: 3e8c5a6235 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぽりすめん | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年4月25日 19時

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