検索窓
今日:9 hit、昨日:3 hit、合計:78,312 hit

理想的なラブロマンス【虎杖悠仁】 ページ20

「見て、ほらできたよ」


こぼれ落ちた海の涙のようなシーグラスをかき集めて積み重ねてみる。

青緑に、真っ青と白く濁ったガラス。

決して同じものは見つからなくて、微かな熱を帯びたざらりとした感触が指先から脳に伝わる。


静かなさざ波と、柔らかな白い砂。


ねえ、私ここを覚えてる。


悠仁、私ね、ふたりきりで行ったのを覚えてる。


秘密にして二人であって。


こっそり夏の海に行った。


平日だからか人はあんまりいなくて、世界に私達だけが取り残されたみたいで凄く感動した。


繋いだ手のひらの熱と、貴方が褒めてくれたワンピース。

あれはずっと白いままだよ。



何ものにも染まらない、けれど弱さを見せてくれる悠仁が、私大好き。


ここに幻想を捨て置くの。


人生で一番の理想郷を捨てて、地獄同然の世の中を歩いて行きたい。

貴方とだから。


ああ、やっと思い出した。



「おはよう、悠仁」


ずっと私の手を握っていた悠仁の髪を撫でる。

理想郷ではあんなに軽やかに揺れていた髪は、ずっとかたくて新鮮だった。


ねえ、私、理想郷を捨てたのよ。

どうしてか分かる?



「A、おかえり」



呪いから目覚めた私を涙ぐみながら見つめる悠仁。

ねえ、私、この地獄をユートピアに変えてあげる。


どこまでも豊かでやさしい地獄にしてあげる。



貴方と私でおかえりとただいまをリレーしてこの地獄を変えてあげる。


例え、世界が貴方にとってのディストピアだったとしても。


ねえ、私の手をずっと掴んでいて。



ただいまを永遠にして。

永遠のトロイメライ【伏黒恵】※伏目線→←重く甘く【狗巻棘】



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (84 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
63人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 短編集
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

阿津(プロフ) - はじめまして!こちらの作品読ませていただきました!!なんというか、とても素敵でした。言葉一つ一つが心に刺さってくるような感じがとても好きです。上手く伝えられなくてすみません…( ; ; )これからも頑張ってください!応援しています:) (2020年10月16日 10時) (レス) id: 510d3e29ad (このIDを非表示/違反報告)
ぽりすめん(プロフ) - rukiさん» はじめましてrukiさん!評価のことなのですが夢短編集気に入って貰えたらそれで良しのスタンスで行こう、と思えたので評価機能はオフにしました、まあ評価が怖いだけなんですが…コメントありがとうございます、体調に気を付けてしっかり夜寝てくださいね! (2020年4月26日 23時) (レス) id: 46d4b25c7d (このIDを非表示/違反報告)
ruki(プロフ) - はじめまして!!気になったのですが、評価が出来ないようになっているのは故意ですか?気になって夜しか眠れません← (2020年4月26日 22時) (レス) id: 3e8c5a6235 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぽりすめん | 作者ホームページ:http:  
作成日時:2020年4月25日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。